TOEFLは外資系企業への転職に有利?TOEICとの違いも解説
新卒の就職活動と違い、転職活動では経験やそれに付随して得た技能などが企業に合致しているか、そして採用後に自社でさらに発展させることができるポテンシャルを持っているかが大きなポイントになります。経験や得た技能などは転職活動を考える時点では自分でどうこうできるものではありません。
しかしながら、一つ自分の努力で大きな売りとすることができ、転職活動を有利に進めることができるものがあります。それが英語のスコアです。よく聞くTOEICやTOEFLが転職活動でどういう印象に移るのか、目安や目標となるスコアと共に見ていきましょう。
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よく耳にするTOEFLとTOEICってどんなもの?
英語の試験といえばTOEICはよく耳にすると思います。Test of English for International Communicationというテストで、日本で一般的に行われているものは、TOEIC L&Rと呼ばれており、リスニングとリーディングから一般的なコミュニケーション能力を測るための試験となっています。
もう一方のTOEFLという試験は、このつづりを見たことがある、少し聞いたことがあるかもしれないという程度の方も多いかもしれません。Test of English as a Foreign Languageという試験で、米国の大学もしくは大学院留学を希望する英語を母国語としない人が、自身の英語力を大学の証明するために使用するために作られたものです。
TOEFLとはどんな試験?
TOEFLはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのテストから構成されており、総合的な英語力を測る試験です。年間約60回実施されており、問題を解いて答えるのも、スピーキングをするのも、ライティングをするのも全てコンピューター相手に行います。
TOEICとはどう違う?
TOEICとの大きな違いは、まずTOEICにはないスピーキングとライティングがTOEFLには含まれていることです。
日本では義務教育の中学校から英語が必修となりますが、その授業の多くは教科書を読み、単語を覚え、文法を頭に叩き込むという作業で、一人の先生から40名近い生徒に一方向で授けられるものです。これはこれで最終的にきちんとした英語を聞いたり話したりすることが出来るようになる上で非常に大事なステップでもあります。
しかしながら、このTOEFLに含まれるスピーキングとライティングは、アウトプットする力がついていないとそこで大きくスコアを落としてしまうため、全体のスコアアップがなかなかできません。
また、内容についてもこの2つのテストでは異なっています。TOEICは前述のようにコミュニケーションという意味での英語力を測るものですので、題材自体も理解できないものは少ないです。
しかしながら、TOEFLは米国の大学に留学してくる人たちの英語力を測るために作られたものですので、一般的なものに加えてアメリカ人の高校生が教科書で読んできたような内容が頻出となります。
日本語でも文系の人が理科の教科書を字面を読むことはできても、深くまで理解できているか微妙なところがある感じはわかるでしょうか?それと全く同じで英語でも内容が理解できないもの、背景知識が入っていないものはなかなか聞き取れないし、大意を把握しにくいものです。
転職活動に有利なのはTOEFL?TOEIC?
知名度からいけばTOEICで900点以上持っている人は日本の大抵の企業で大きなアピールとして見てもらえると思います。800点でもよく健闘しているという印象を持ってもらえることが多いでしょう。
しかし、海外の大学に留学したような人を多く採用したいと思っているような企業にエントリーする上でアピールになるのはむしろTOEFLということができるでしょう。
海外の大学を卒業した人たちと英語力という意味で同じ土俵に立ちたい場合はアメリカの大学入学希望者の目標となる80点を目安に、可能であればその上の大学院入学希望者が目標とする100点を目指してほしいところです。
TOEFLを持っているとどんな企業に好感触?
外国が本社で日本に支社を置く外資系企業には間違いなく有利でしょう。グローバル展開している企業では様々な母国語の人々が勤務しており、その共通言語としては英語が使われていることが今この時代では主流だからです。
また、日系企業でも主な商い先もしくは主な取引先が海外になる企業では既に多くの高い英語力を持つ人が勤務しているため、ある程度のTOEFLのスコアを持っている人は、スピーキングとライティングもそれなりに出来るという証明になるため、ペーパーで点数を取れるだけではなく、使える英語を身に着けているという大きなアピールとなります。
TOEFLはどういうアピールができる?
英語が出来る人というのは非常に曖昧な表現であり、学校の英語のテストで100点を取れるからと言ってアメリカ人やイギリス人からあの人は英語が上手だねと思ってもらえないことは多々あります。
それは、例えば現代文の試験で満点を取ることが出来る人が、プレゼンが上手であるとか、論文がうまく書けるわけではないのと同じです。
しかし、TOEFLで高得点を取ることが出来る人はアウトプット(スピーキングとライティング)の素地がそれなりに出来ている人だということを認めてもらうことが出来ます。英語のお勉強が出来るということの他に、自分でアウトプットするトレーニングをし、実社会で使える英語を習得してきたことをどんどんアピールしていきましょう。
TOEFLスコアが強みになるのはは何点から?
英語を強みとしたいのであればやはり100点を目指していきましょう。80点でももちろんアメリカの大学でサバイバルできる英語能力を持っているという評価にはなりますが、アメリカの大学を卒業してきた人たちと同じ土俵に立ちたいのであれば、新卒ではなく、転職市場においては100点持っていることで大きなアピールとなるのです。
TOEFLとTOEIC両方のスコアを持ってより強気にアピール
ここまで、TOEFLの点数や有利な点をたくさん見てきました。ではTOEFLだけでいいの?と思われがちですが、やはり現在の日本では、就職活動のみならず社内評価の基準としてTOEICが数多くの企業で使われており、まずは基本を押さえる意味でTOEICの点数を取得しておくことが無難です。
そのうえでさらにプラスアルファとしてTOEFLの高いスコアを有しておくことでより強力な武器となってくれることでしょう。
TOEFLは総合的な英語力をアピール
では、TOEFLのスコアを持っていることでどんなアピールになるでしょうか?それは読み書きだけでなく、聞いて話すこともできるという総合的な英語力です。
また、TOEFLで高得点を取るためにはそれなりの語彙数を持っていなければスピードを求められるリーディングでテンポよく解いていくことは難しいですし、TOEFLで行われるライティングは読んで、そして聞いてからのライティングになりますので、どこか一つでも不得手の部分があると大きく点数を落としてしまいます。高得点を取れるということはバランスよく全ての力が備わっていることをアピールすることが出来るのです。
知名度の高いTOEICも受けて基本を押さえる
TOEFLの良さを見てきましたが、そうは言っても現在の日本ではTOEICの認知度は抜群に高いですし、社内での英語力の評価にTOEICを使っている企業が多いのは事実です。
まずはTOEICでできる限り高い点数、900点以上を目指して受験してください。実際のところは、TOEFLの試験対策をしっかりしていればTOEIC用の試験対策をしなくてもある程度の点数を取ることが出来るようになると思います。
TOEFLの難しい問題をたくさん練習してからTOEICを受けると非常に簡単に思うかもしれません。そこで逆に気を抜きすぎてつまらないケアレスミスをしないように注意してください。
TOEFLを知らない面接官にどんな試験か説明できるようにしておこう
今の日本の社会でもTOEFLの認知度は高まっていますので、採用担当者は把握できていることも多いと思います。事実、2016年に外務省入省前にTOEFL100点(又はIELTS7.0)を取得することを要求したこともありました。
外務省と言えば外国との折衝に携わる省であり、ベースとなる語学力が極めて重要です。その外務省が求めたTOEFLの点数を取得しているという話も交えて、TOEFLについてあまりよく知らない面接官にうまく説明しながら自己PRも交えていけるよう準備しておきましょう。
TOEFLは外資系や英語力を重視している企業では非常に有利!
これまで見てきたように、日常の中で英語を使う機会が多くある外資系企業や、世界進出している日系企業、そして今後グローバル展開を画策している企業においては、高いTOEFLのスコアを持っていることが非常に大きな武器になります。
転職の際だけではなく、その会社に就職した後、希望の部署、希望の勤務地につけるかどうかにも関わってくる可能性が高いので、たかが英語試験と思わず、自分の夢、やりたい仕事を手にするため是非前向きに取り組んでほしいと思います。