IELTSとカナダ:移住・永住・留学に必要なスコアまとめ
カナダは治安が良く、教育水準も世界でトップレベルに入ることから留学先や永住先としても高い人気があります。
また、世界の住みやすい都市ランキングトップ10にカナダの都市は毎年ランクインされています。
The Economist2019年のデータでは、5位カルガリー、6位バンクーバー、7位トロントと3都市がトップ10に入っています。
カナダの大学で講義を受けたり、永住して仕事をするためには高い英語力が求められます。そのために、留学や永住希望者にはIELTSスコアの提出が求められているのです。
この記事では、カナダ留学や永住権申請のためのIELTSスコアについてご説明します。具体的なスコア目安や大学もご紹介しますので、是非参考にしてみてください。
目次(クリックで飛べます)
カナダ移住・永住に必要なIELTSの種類と点数について
カナダへ移住・永住するためにはいくつかの申請方法がありますが、永住権の申請は希望者が多く2年以上かかることもあります。
例えば、Federal Worker Program(FWP)は、カナダで働いて国に利益をもたらしてくれる有能な人材に永住権を与えるプログラムです。
申請基準には、学歴・職歴・年齢・語学力などが判断対象となり、ポイント制で判断されます。学歴や職歴のポイントはアップするには時間がかかり、年齢のポイントは変えることができません。
しかしこれらのポイント加算が少ない人でも、IELTSで高いスコアが獲得できれば、語学ポイントが多く付与されます。
したがって、IELTSスコアは永住権申請に重要なポイントとなっています。
ではIELTSスコアと永住権申請がどのように関連づくのでしょうか?
IELTSのジェネラルとアカデミックを間違えない
まず、IELTSにはジェネラル・トレーニング・モジュールとアカデミック・モジュールの二つがあります。
永住権申請: IELTSジェネラル・トレーニング・モジュール
留学: IELTSアカデミック・モジュール
二つのテストは、リーディングとライティングの内容が異なりますが、スピーキングとリスニングは同じ内容です。
アカデミック・モジュールは大学の講義やキャンパスライフで使われる内容が多く含まれ、ジェネラル・モジュールはより日常生活や職場でのトピックが多く含まれます。
永住権の申請にはIELTSジェネラル・モジュールのスコアが必要ですので、間違わないように注意しましょう。
IELTSの点数が高ければ高いほど永住権発給に有利
カナダ政府は、カナダにとって有能な人材を優先して審査したいと考えています。その人の経歴や職種によって、申請方法は様々です。
例えばポイント制度を使って申請する場合、基準である67ポイントを満たせばFederal Skilled Worker (スキルドワーカー)の候補者として申請をすることができます。
さらに、多くの申請者の中から総合ポイントの高い人から審査がされるシステムComprehensive Ranking System(CRS)が現在では採用されています。(2021年3月現在)
語学ポイントはCanadian Language Benchmarks(CLB)をもとに審査されます。CLBレベルはIELTSスコアにより決まり、ポイントが付与されるのは、CLBレベル7以上です。
より高いポイントを得ることで、永住権の申請が有利になります。IELTS対策をしっかりと取り組み、CLBレベル7~8は取れるように頑張りましょう。
CLBレベルとIELTSスコア換算表
CLBレべル リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング、付与ポイント
CLBレベル10: 8.0、7.5、8.5、7.5、6
CLBレベル9: 7.0、7.0、8.0、7.0、6
CLBレベル8: 6.5、6.5、7.5、6.5、5
CLBレベル7: 6.0、6.0、6.0、6.0、4
参考サイト: カナダ移民局
カナダ留学に必要なIELTSスコアは?
カナダのカレッジや大学、大学院に入学を希望する場合、IELTSアカデミック・モジュールかTOEFLスコアが必要です。
英語で講義をうけ、分厚い教科書を読みエッセイを書いたり、プレゼンをするためには高い英語力が必要とされます。
カナダはほとんどの大学が公立のため、私立が多いアメリカと異なり大学の数が少ないのが特徴です。そのため、大学教育の質が一定以上に保たれています。
よって、多くのカナダの大学でIELTSバンドスコア6.0~6.5が必要とされています。しっかりとIELTS対策をたて、希望する大学の申請に必要なスコアを取得しましょう。
なお、IELTSとTOEFLテストの違いはこちらの記事も参考にしてみてください。
IELTSのアカデミックモジュールを受けてカナダに留学しよう
IELTSのアカデミック・モジュールは大学での講義やデスカッション、学術論文を読んだりするのに必要なトピックが中心となっています。
リーティングとライティングがアカデミック専用の問題、リスニングとスピーキングはジェネラルと同様です。 大学申請にはIELTSバンドスコアとさらに各セクションの最低スコアが決まっています。
カナダ留学::IELTS 5.5からいけるカレッジや大学
カナダで大学やカレッジに留学する場合、ほとんどの場合バンドスコア6.0~6.5以上が必要となります。 一部のカレッジや大学で、ESLプログラムを受講することを前提に5.5を受け入れているところもありますが、大学の学部に入学希望の場合は、バンドスコア6.0以上を目指しましょう。
カナダ留学::IELTS 6.0からいけるカレッジや大学
以下の大学やカレッジは、IELTSバンドスコア6.0から申請できます。
Vancouver Community College
St. Clair College of Applied Arts and Technology
Fairleigh Dickinson University
Camosun College
Lethbridge College
カナダ留学::IELTS 6.5からいけるカレッジや大学
カナダの多くの大学は、IELTSバンドスコア6.5以上、全てのセクションで6.0以上が必要です。有名大学に入りたいのであれば、さらにしっかりとしたIELTS対策がかかせません。
University of Toronto
University of British Columbia
McGill University
University of Calgary
University of Ottawa
University of Montreal
University of Alberta
University of Waterloo
Capilano University
McMaster University
Brock University
Charles Sturt University
Dalhousie University
Queen’s University
Western University
University of Manitoba
University of Victoria
Royal Roads University
University Canada West
Canadian Mennonite University
IELTS対策をしよう!国内・海外でできる対策
それでは、どのようにIELTSスコア対策をすればよいのでしょうか? 留学や永住権申請まで時間がある人や、しっかりした英語対策をしてから大学に申請をしたいという人は、まずは国内でIELTS対策をすすめましょう。
IELTSの公式テキストや英会話スクールで勉強することができます。 海外にはIELTS対策プログラムがある語学学校もあります。よって、生の英語に触れながら勉強したいという人は、海外留学でIELTS対策をすることもできます。
IELTS対策コースやオンライン英会話を利用する
英会話スクールの中には、IELTS対策コースを設けているところもあります。しかし、IELTS対策コースを受講するには、通常中級以上の英語力が求められます。
まだ英語力が初級レベルの人は、まずは英会話スクールやオンライン英会話で勉強しましょう。 英語力が中級以上になったら、IELTS対策コースやテキストでIELTS用の試験問題に取り組むと効果が高いでしょう。
IELTS向けのオンライン英会話や対策コースは下記の記事に詳しく書きましたのでご参照ください。
カナダにある語学学校のIELTS対策コースに入る
もし、現在のIELTSスコアが大学やカレッジ入学に満たない場合、カナダの語学学校でIELTS対策をすることも可能です。
IELTS対策を行っている語学学校の一部をご紹介します。
中には1・2週間から受講できる学校もありますが、真剣にスコアを伸ばしたいのであれば4週間から12週間以上しっかり対策コースを受講することをおすすめします。
Inlingua
Kaplan International
Language Studies International
English School of Canada
International Language Academy of Canada
Canadian Collage of English Language
IELTS自体はカナダでも受けられる
カナダでは頻繁にIELTSテストが行われているため、現地での受験も可能です。 トロントがあるオンタリオ州では49箇所、バンクーバーがあるブリティッシュコロンビア州では18箇所のテストセンターがあります。
その他、各州にたくさんのテストセンターがあり毎週のようにテストが実施されています。 よって、語学学校で対策をしながら、現地でIELTSの試験を受けるという方法も選択肢のひとつとなります。
移住、永住、留学どれにもIELTSは必須!十分な対策を
カナダではIELTSが留学、永住と幅広く使われていることがお分かり頂けましたでしょうか? 英語圏の大学に留学したい、就労して永住したいという人はIELTS対策が重要です。 簡単には上がりませんが、しっかりとした対策を立てれば日本人でも6.0以上をとることはできます。 目標に向かってIELTSスコアアップを目指しましょう!