IELTS 5.0はどのくらいのレベル?難易度や対策・勉強法を紹介
IELTS 5.0と聞いてあなたはどれくらいの難しさだと思いますか?
IELTSは、海外の大学や大学院、移民の際に英語力を示す基準となる試験です。これから勉強を始める方にとっては、どのレベルがどれくらいの難易度なのか、よくわからないかもしれません。
IELTS 5.0とは、どのくらいのレベルなのでしょうか。 IELTS 5.0のレベル感や難易度、到達するための対策・勉強法をご紹介します。しっかりと対策をして、IELTS 5.0の取得を目指してくださいね。
目次(クリックで飛べます)
IELTS 5.0のレベルは?他試験との難易度比較
IELTSの結果は、バンドスコアと呼ばれるスコアで算出されます。最低1.0、最高9.0で、0.5刻みで表されます。
IELTS公式サイトにおいて、IELTS5.0のレベル感は以下のように明言されています。
『■中程度のユーザー 部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。 ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。 』
IELTS5.0は、ある程度英語を使いこなせる、中級程度のレベルと言えます。
IELTS 5.0はTOEIC、英検、TOEFLではどのくらいのレベル?
IELTS 5.0をまずは、下記の各テストの比較表を見てみましょう。日本で馴染みのある3つの語学試験のレベルと比較してみましょう。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC L&R | 英検 |
---|---|---|---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 627-677 | 945-990 | 英検1級 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 543-626 | 785-940 | 準1級~1級 |
B1 | 4.0-5.0 | 42-71 | 460-562 | 550-780 | 2級~準1級 |
A2 | 該当なし | 該当なし | 337-459 | 225-545 | 準2級~2級 |
A1 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 120-220 | 3級~準2級 |
TOEICと比較すると、IELTS 5.0はおよそ「650~780点」レベルです。TOEICの2020年11月から2021年4月の平均点は618.4点ですので、IELTS 5.0は平均より少し高めのレベルと言えます。
英検と比較すると、だいたい準1級相当レベルです。準1級は大学中級レベル、実際に使える英語力と見なされています。レベルはやや高めと言えるでしょう。 TOEFL iBTと比較すると、およそ「60~71点」相当のレベルです。
TOEFLの2019年日本人平均点は72点ですので、平均か、少し下程度のレベルとなります。 IELTS5.0の他試験との比較をさらに詳細に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
IELTSの日本人平均スコアは?
IELTSの結果として表示されるスコアは、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの「各パートのバンドスコア」。総合評価としての「オーバーオール・バンド・スコア」。この5つです。 それぞれの日本人平均スコアはこちらです。
【アカデミック・モジュール】
- リーディング:6.1
- リスニング:5.9
- ライティング:5.5
- スピーキング:5.5
- オーバーオール:5.8
【ジェネラル・トレーニング・モジュール】
- リーディング:5.6
- リスニング:6.0
- ライティング:5.6
- スピーキング:5.8
- オーバーオール:5.8
IELTS 5.0は、平均より少し低め、およそ中級程度のレベルと言えます。
IELTS 5.0は海外留学や大学入試に役立つ?
「Times Higher Education世界大学ランキング2019」によると、世界トップ200に選ばれた英国の大学入学で要求されるスコアは、6.0~7.0ほどであるとされています。
また、IELTS公式サイトには「一般的に、大学はオーバーオール・バンド・スコア6.0から6.5を入学基準としています。」との記載があります。
大学ごとに基準は異なりますが、海外大学入学や留学を目標にするならば、IELTS 6.0を目指したいところです。IELTS 5.0は、一般的にはレベル高めながらも、留学するにはまだまだ通過点と言えるようです。
ちなみに日本の大学入試でのIELTS利用に関しては下記の記事に詳しく書きましたので合わせてごらんください。
IELTS 5.0各パートの難易度説明
それでは、IELTS 5.0の難易度と、到達するための目安を詳しく見ていきましょう。
リーディング5.0の難易度は?
リーディングは選択式、真/偽/情報なし、文章補完式など、様々なタイプの問題が40問出題され、1問1点として計算されます。 アカデミックリーディングでは、バンドスコア5.0の到達基準は40問中15問正解。 ジェネラルリーディングでは、40問中23問正解が到達基準となっています。 正答率としては4~5割くらいとなります。
リスニング5.0の難易度は?
リスニングは、正誤問題が40問出題、1問1点として計算されます。 バンドスコア5.0の基準は40問中16問正解です。 (リスニングはアカデミック・モジュール、ジェネラル・トレーニング・モジュール共通の問題となりますので、基準も共通です。) 正答率は4割ほどとなります。
スピーキング5.0の難易度は?
スピーキングは、インタビュー形式で行われます。日常生活についての質問のあと、指定されたトピックについてのスピーチと、ディスカッションを行います。 評価ポイントは「流暢さと一貫性」、「語彙力」、「発音」、「文法力」、「正確さ」。以下、IELTS 5.0相当の評価基準を簡単にまとめました。
- 流暢さと一貫性 簡単な話題では途切れずに話せるが、複雑になると問題がある 繰り返しや言い直しが多い
- 語彙力 身近なテーマもそうでないテーマも話せるが、語彙が少ない
- 発音 発音の特性のコントロールは不安定で、発音の間違いは多い
- 文法知識と正確さ 基本的な構文は正確に使用できるが、複雑な構文は間違いが多い
ライティング5.0の難易度は?
ライティングはタスク1とタスク2の2つの課題があり、それぞれ「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」の4つの評価ポイントがあります。 タスク1とタスク2におけるIELTS 5.0の評価基準を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 課題の達成度 課題を大まかには取り組めているが、書式・形式が不適切 見解や要旨を記してはいるが限定的で、不十分
- 一貫性とまとまり 情報や意見はある程度整理されているが、連続性に欠ける 接続詞の使用や参照、置換が不十分
- 語彙力 必要最低限の語彙は使用できるが、スペルや語形成は間違いが多い
- 文法知識と正確さ 複雑な構文の使用を試みるが間違いが多い
ライティング5.0の難易度は?
ライティングはタスク1とタスク2の2つの課題があり、それぞれ「課題の達成度」「一貫性とまとまり」「語彙力」「文法知識と正確さ」の4つの評価ポイントがあります。 タスク1とタスク2におけるIELTS 5.0の評価基準を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 課題の達成度 課題を大まかには取り組めているが、書式・形式が不適切 見解や要旨を記してはいるが限定的で、不十分
- 一貫性とまとまり 情報や意見はある程度整理されているが、連続性に欠ける 接続詞の使用や参照、置換が不十分
- 語彙力 必要最低限の語彙は使用できるが、スペルや語形成は間違いが多い
- 文法知識と正確さ 複雑な構文の使用を試みるが間違いが多い
ちなみにIELTSの採点基準や採点方法の詳しい記事を下記にかいており人気ですのでぜひこちらもご覧ください。
IELTSでスコア5.0とるのに必要な勉強時間は?
ケンブリッジのデータによると、IELTS 5.0(CEFRのB1レベル)に到達するには、350~400時間必要と言われています。1日3時間の学習時間でも1年以上かかる計算になります。 もちろんこれは個人の英語力次第です。早くスコアアップを狙うのであれば、IELTSの対策に短期集中で挑む必要があります。
IELTS 5.0を達成するためのパート別の対策・勉強法
IELTS 5.0は、中高レベルの英語をしっかりと学習でていることが前提となるレベルです。 どのパートでも、IELTS特有の問題解法を学ぶことを考える前に、基礎をしっかりと固めることを目標にしましょう。
また、同時にIELTSに出る単語を覚えていくことも重要です。専門的でアカデミックな単語が多く出題されますので、その単語がわからないだけで内容がさっぱりわからない、という事態もあり得ます。 逆に言うと単語さえ知っていれば、どんな内容なのか推測できますので、解きやすくなります。
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IELTS勉強法全般に関しては下記の記事にも書いていますので合わせてごらんください。
リーディングの勉強法は?
まずはおさらいとして、中高レベルの英語の学びなおしがおすすめです。高校の英語は意外と複雑な構文が出ており、内容もアカデミックなため、最初の一歩としての勉強にぴったりです。
当時の教科書や教材、文法書などを使って、文法や構文の学びなおしをしましょう。 基礎が固まったら、長文に慣れることに重点を置きます。レベルに合ったリーディング教材、公式問題集を活用して、精読より多読を心がけてください。
IELTSのリーディング対策に関しては下記に詳しい記事を書きましたので合わせてごらんください。
リスニングの勉強法は?
IELTS 5.0レベルですと、実践的に問題を解いていく勉強法より、まずは正確な発音に慣れることが重要です。 発音に特化した教材や公式問題集を使って、同じ文を何度も聞いてディクテーションやシャドーイングをしましょう。 その英文を一度聞いただけで、何を言っているか理解できるようになるまで繰り返しましょう。
IELTSのリスニング対策に関しては下記に詳しい記事を書きましたので合わせてごらんください。
スピーキングの勉強法は?
IELTS 5.0に到達するためには、複雑な構文を言えるようになる必要はなく、ゆっくりでもいいので、途切れずに話し続けることを目標としましょう。 簡単な構文で構いませんので、まずは身近なことについて書いてアウトプットすることに慣れます。それからその文を、声に出して読めるように練習しましょう。
IELTSのスピーキング対策に関しては下記に詳しい記事を書きましたので合わせてごらんください。
ライティングの勉強法は?
ミスが多くても構いませんので、とにかく時間内に書き切るという訓練が必要となります。 ライティングには決まった型がありますので、それに沿ってたくさん書いてみる練習をしましょう。
IELTSのライティング対策に関しては下記に詳しい記事を書きましたので合わせてごらんください。
IELTS 5.0を達成するためのその他のヒント
これからIELTS 5.0を目指す方は、まだまだ基礎力をつけるべきレベルにあります。海外の大学入学には最低6.0が目安ですので、ひとまずは6.0を目指すため、5.0は通過点と考えるべきです。 これからIELTS 5.0を目指す方は、これからご紹介するヒントをご参考に、スコアアップを目指してください。
英語力低め・IELTS初心者の場合の勉強法は?
IELTS 5.0未満の初心者の方は、IELTS特有の勉強を始める前に、基本的な英語力を身につけることが先決です。 まずは中学レベルの文法のやり直しをしましょう。簡単だと思っていても、意外と取りこぼしがあるかもしれません。
IELTS 5.0達成のためのお勧め教材・参考書
使用必須なのは公式問題集です。問題の形式やよく出るテーマなどが詰まっていますので、慣れるためにも必ず購入しましょう。 また参考書は、自分のレベルに合ったものか、少し下のものがおすすめです。
突然高レベルのものに手を出してしまうと、ついていけなくなってしまう可能性があります。 参考書については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ご確認ください。
IELTSは独学でスコアアップできる?
IELTS 5.0未満の方は基礎力をつけるべき初級レベルですので、独学でのIELTS 5.0へのスコアアップは充分可能です。 その後、さらに上のスコアを目指すときに、特にスピーキングやライティングなどのパートでネイティブにチェックを受けた方が効率がよい勉強ができます。
IELTS 5.0の難易度レベルと対策・勉強法のまとめ
IELTSは小手先のテクニックではなく、本来の英語力を試す試験ですので、焦らずご自分のレベルに合った学習からコツコツ続けることが重要です。 まずは中高レベルの学習からおさらいして基礎を固め、IELTS 5.0の到達を目指しましょう。
IELTS 4.5や5.0に関する記事は下記にて執筆しましたので合わせてごらんください。