IELTSとTOEFLの違い:難易度、スコア換算、どちらを受けるべきか徹底比較

海外の大学に留学をする場合、TOEFLかIELTSのスコアが求められますが、二つのテストの違いを知っていますか? これからどちらかの試験対策をしようと考えている人には気になるところですよね。

誰でも「できるだけスコアが取りやすい方を選びたい」というのが本音ではないでしょうか。 今回は、気になるIELTSとTOEFLの違いを様々な視点から徹底解説します。 この記事を読めば、IELTSかTOEFLどちらにするか決められるはずです。是非、参考にしてみてください。

IELTSとTOEFLの違い:テスト内容に関して

まず、IELTSには大学進学に必要なアカデミックモジュールと、海外の永住権申請などに必要なジェネラルトレーニングモジュールの二つがあります。

IELTSジェネラルトレーニングモジュールは、職場や日常生活に関するテーマが多く出題されます。IELTSアカデミックモジュールは、日常生活に関する内容の他、大学の講義に関するテーマも含まれます。二つの試験は、リーディングとライティングの内容が異なり、スピーキングとリスニングは共通です。

この記事では、留学の際に必要なIELTSアカデミックモジュールとTOEFLについて違いをご説明します。IELTSとTOEFLの難しさや、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの試験内容の比較もみてみましょう。

IELTSとTOEFLどっちが難しいの?

テスト内容に関してはどちらが難しいといったことはありません。大学進学に必要なスコアを取るには、どちらもしっかりした対策が必要です。
但し、二つの受験方式に違いがあるため、まずはご説明します。

受験方式の違い:
受験方式は、TOEFLはコンピューター試験のみです。

インターネット接続に問題がある一部の国(ナイジェリア、カザフスタン等)はペーパーテストが行われていますが、日本やイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド等はコンピューターのみです。

IELTSはペーパーかコンピューター(CD IELTS)を選べます。パソコンの操作が苦手、タイピングが遅いという人はペーパー試験のIELTSが良いでしょう。しかし、IELTSのコンピューター試験は、東京と大阪のみ対応しているので気を付けましょう(2021年2月現在)。

また、英語力に自信がある人は、CEFR C2までスコアをはかれるIELTSを受験するのも良いでしょう。

CEFRとは「Common European Framework of Reference for Languages」の略で、外国語でのコミュニケーションのレベルを6段階で示すものです。より高い英語力を証明したい人はIELTSをおすすめします。

単語と発音の違い:イギリス式かアメリカ式

さらに、リスニングの発音とスペルに違いがあります。

発音の違い:
TOEFLはアメリカ英語、 IELTSはイギリス英語

日本で習う英語は基本的にはアメリカ英語のため、はじめはTOEFLのリスニングの方が聞き取りやすいと感じるでかもしれません。しかし、自分の英語の先生がイギリス人で聞き慣れているという人は、IELTSでも良いでしょう。
どちらにしてもそれぞれのテストに合った対策をしていけば、だんだんと耳は慣れていきます。

スペルの違い:

例えばセンターと書く場合、アメリカ英語は「center」、イギリス英語は「centre」と綴ります。カラー(色)は、アメリカ英語は「color」、イギリス英語は「colour」と綴ります。このようにスペルに違いが表れます。

試験内容の違い:4分野全体の比較

次にリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4分野の違いについてみてみましょう。

試験の所要時間: 
IELTS・TOEFLどちらも約3時間

テスト問題や形式の違い:
IELTSはアカデミックな題材の他、日常生活の内容も含まれます。また、選択問題の他にも自分で単語を埋める必要があるのでスペルにも注意が必要です。
TOEFLはアカデミックの題材が中心でリーディングとリスニングは選択形式です。

スコア:
IELTSスコアは、0.5点刻みで1.0~最高9.0まで。各スキルのスコアと、全体のバンドスコアがでます。
TOEFLスコアは、1点刻みで最高は120点。各スキルのスコアと、全体のスコアがでます。

リーディング: 
IELTSはニュースや新聞なども題材にも含まれ、より身近に感じます。ペーパーテストの場合、大切な箇所に線を引く事もできるのがやりやすい点です。
但し、記述式の部分もあるため、スペルミスをしないように注意する必要があります。
TOEFLは生物・科学・工業・自然などのトピックが題材です。題材がよりアカデミック中心です。
4択や複数選択、正しい位置に文章を挿入する問題などがあります。自分で綴る必要がなく、選択で回答します。

リスニング:
IELTSは日常生活での電話のやりとりや、ニュース、学校での説明などが題材になっています。スペルを問われたり、記述問題があります。イギリス英語の発音です。
TOEFLは大学の講義やクラスでのディスカッション、複数人の会話をもとに、選択方式で回答します。科学・芸術・歴史など大学の講義にちかい内容が題材です。アメリカ英語の発音です。

ライティング:
IELTSのTASK1は情報の分析やグラフをもとに、エッセイを書きます。TASK2は、スポーツ・人間関係・教育などのテーマに対し、同意か反対かなど自分の意見をまとめて主張します。
TOEFLは、英文を読みそれに関連する音声を聞くところがIELTSとの違いです。読み聞きした事の関連性や相似する点についてエッセイを書きます。タスク2はIELTSとあまり違いはありません。

スピーキング:
IELTSは、面接形式でテストが行われます。3つのタスクの中で、自己紹介や故郷の話しをしたり、指定されたトピックについて自分の意見を述べます。
TOEFLは、45秒から60秒以内に、自分の考えをまとめて録音をします。また、英文を読み、関連する音声を聞いてから質問に答える問題もあります。
TOEFLはコンピューターに向かい話して録音する、IELTSは対面の面接形式というのが大きな違いです。マイク付きのヘッドセットを付けて録音するタイプのTOEFLは、慣れていないと難しく感じる人もいます。
逆に面接だと緊張するという人は、TOEFLの方が自分の世界に入って集中できるのがメリットです。

IELTSとTOEFLどちらを受けるべきか

IELTSとTOEFLどちらを受けるべきか

IELTSとTOEFLの違いをお話ししましたが、では結局はどのようにしてどちらを受けるか決めたらよいでしょうか?留学先や人によっても異なるので、それぞれ説明します。

留学先がIELTSとTOEFLどちらを受け入れているか調べる

まずは、留学先がIELTSとTOEFLのどちらのスコアを求めているのかを調べる必要があります。TOEFLとIELTSの運営団体ホームページからも、国名や大学名から各テストスコアを受け付けているかが調べられます。

TOEFLの受け入れ先を確認 
https://www.toeflgoanywhere.org/search-who-accepts-toefl?_ga=2.109764229.1451588417.1613931703-398706067.1611338211

IELTSの受け入れ先を確認 
https://www.ieltsasia.org/jp/ielts-results

どちらも多くのカレッジや大学で受け入れられていますが、募集要項が変わる事もあります。詳しくは目標としている進学先に必ず確認しましょう。

どちらも受け入れているならまず解いてみよう

自分の希望する進学先がIELTSとTOEFLどちらのスコアも受け入れているという事であれば、まずは問題集を解いてみてスコアの高い方を勉強するという選択も有効です。

また、留学先がイギリスやオーストラリアなどのイギリス英語ならIELTS、アメリカやカナダならアメリカ英語のTOEFLという選び方もできます。どちらにしても、まずは問題を解いてみましょう。

IELTSとTOEFLをスコア換算などその他比較

英語のテストや検定はたくさんありますが、それぞれのスコア比較はなかなか分かりにくいですよね。
文部科学省の「各資格・検定試験とCEFRの対照表」ではこのように示されています。

IELTS 8.5-9.0                  CERF C2
IELTS 7.0-8.0 TOEFL iBT 95-120 英検1級    CERF C1
IELTS 5.5-6.5 TOEFL iBT 72-94 英検準1級~1級 CERF B2
IELTS 4.0-5.0 TOEFL iBT 42-71 英検2級~準1級 CERF B1

参考リンク: https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf

CERF C2にあたるIELTSの8.5以上はTOEFL満点、英検1級が取れるような高いレベルということになります。

IELTSとTOEFLのスコア換算と留学の目安

海外の大学に留学を希望する場合、IELTSスコア6.0~7.0、TOEFLスコア80~90が求められる事がほとんどです。
どちらも簡単ではありませんが、各テストに合った勉強をコツコツとすれば、必ず達成できます。

別の記事でもIELTSについて細かく説明しているので、そちらも是非読んでみてください。
https://ielbu.com/ielts-difficulty/

IELTSとTOEFLの受験料の違い

IELTSとTOEFLの受験料は、下記の通りです。費用の違いはほとんどありませんが、IELTSは日本円、TOEFLはUSドルとなっています。

IELTS受験料:
・IELTSペーパー:25,380円(税込み) 
・IELTSコンピューター:26,400円 (税込み)
支払いはクレジットカードかコンビニエンスストア払いが選べます。

TOEFL受験料:
・TOEFL iBT 通常申し込み:US$245 
・通常申し込み締め切り日以降テスト2日前まで:US285
支払いはクレジットカード、電子小切手、Paypal、郵便為替など申し込み方法によります。

IELTSとTOEFL対策の違い:参考書や単語帳は使いまわせる?

実際にIELTSやTOEFLの勉強をするときに必要になるのが参考書や単語帳です。スコアを上げることにフォーカスをするのであれば、やはり専門の対策本を使う事をおすすめします。 出題されやすい問題傾向や単語を効率よく学び、テストの流れに慣れるようになります。

初心者がIELTSのスコアを上げるための対策については、別記事でもご紹介しています。こちらも参考にしてみてください。https://ielbu.com/ielts-taisaku/

IELTSとTOEFLを比較:難易度、スコア換算、どちらを受けるべきか等解説のまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、IELTSとTOEFLの違いについてお話しをしました。自分に合ったテスト対策をして、目標に向かって頑張りましょう!

IELTSとTOEFLを決めるポイント
・どちらのスコアが受け入れ対象か留学先に確認をする
・TOEFLはアメリカ英語、IELTSはイギリス英語
・TOEFLはコンピューターのみで、スピーキングは録音する
・IELTSはペーパーがコンピューターから選べて、スピーキングは面接形式
・特に高い英語力を証明したい人はIELTSもおすすめ
・まずは問題集を解き、専用の対策本で勉強しよう

最初のコメントをしよう

必須