IELTS 9.0の実力は?ネイティブでも取れない?難易度解説
IELTS 9.0といえば、IELTSの満点スコアです。果たしてその実力は難易度はどれくらいなんでしょうか。この記事ではIELTS9.0について解説していきます。
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IELTS 9.0の難易度を他の試験との比較で理解しよう
TOEFL iBT,ITP,TOEIC、IELTS、英検など主要なテストのスコア換算表を下記にまとめました。IELTS9.0は他のテストでは並ぶところがないくらい高い点数であることがわかりますね。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC L&R | 英検 |
---|---|---|---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 627-677 | 945-990 | 英検1級 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 543-626 | 785-940 | 準1級~1級 |
B1 | 4.0-5.0 | 42-71 | 460-562 | 550-780 | 2級~準1級 |
A2 | 該当なし | 該当なし | 337-459 | 225-545 | 準2級~2級 |
A1 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 120-220 | 3級~準2級 |
ネイティブでもIELTS9.0は難しいレベル
IELTS9.0というスコアはネイティブなら取れるかという質問に関しては、ネイティブでも必ずしもとれないレベルであるといえるでしょう。
特にIELTSはアカデミックとジェネラルもジュールがあるのですが、アカデミックモジュールでは、大学などの学術機関で評価される書き方でないと高い評価が得られないため、英語ネイティブでもそういった勉強をしていない方は難しいでしょう。
実際に私の知り合いにも何名かIELTSにトライしましたが、満点が取れないネイティブも複数いました。スペルミスなどちょっとしたことでも点数がひかれるテストですので、英語力+慎重さが必要になるでしょう。
IELTS 9.0のレベル感・難易度を把握しよう
ここではIELTS9.0のOverall及び各スコアのレベル感を理解しましょう。そして自分とのレベル差を理解して対策をしていきましょう。
IELTS 9.0:オーバーオールのレベル感
IELTSの0~9までのオーバーオールバンドスコアの評価は下記のとおりです。満点である9.0はエキスパートユーザーという分類になります。
バンドスコア | 評価 | 詳細 |
9 | エキスパート・ユーザー | 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で、完全な理解力もある。 |
8 | 非常に優秀なユーザー | 時折、非体系的な不正確さや不適切さがみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。 慣れない状況においては、誤解が生ずることもありえる。込み入った議論に、うまく対応できる。 |
7 | 優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。 複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。 |
6 | 有能なユーザー | 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。 特に、慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。 |
5 | 中程度のユーザー | 部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。 ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。 |
4 | 限定的ユーザー | 慣れた状況おいてのみ、基本的能力を発揮できる。 理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。 |
3 | 非常に限定的なユーザー | 非常に慣れた状況おいて、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。 コミュニケーションが頻繁に途絶える。 |
2 | 一時的なユーザー | 確実なコミュニケーションを行うことは不可能。慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。 英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。 |
1 | 非ユーザー | いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を有していない。 |
0 | 非受験者 | 評価可能な情報なし。 |
IELTS 9.0:リスニングのレベル
リスニングの採点基準としておおむね下記の正解数を参考にしてください。
スコア | 正解数 |
9 | 39-40 |
8.5 | 37-38 |
8 | 35-36 |
7.5 | 32-34 |
7 | 30-31 |
6.5 | 26-29 |
6 | 23-25 |
5.5 | 18-22 |
5 | 16-17 |
4.5 | 13-15 |
4 | 10-12 |
3.5 | 8-9 |
3.0 | 6-7 |
2.5 | 4-5 |
IELTS 9.0:リーディングのレベル
リーディングの採点基準としておおむね下記の正解数を参考にしてください。
合計(各40問)
スコア | 正解数 |
9 | 39-40 |
8.5 | 37-38 |
8 | 35-36 |
7.5 | 33-34 |
7 | 30-32 |
6.5 | 27-29 |
6 | 23-26 |
5.5 | 19-22 |
5 | 15-18 |
4.5 | 13-14 |
4 | 10-12 |
3.5 | 8-9 |
3 | 6-7 |
2.5 | 4-5 |
IELTS 9.0:スピーキングのレベル
スピーキングでは下記の4項目を採点基準としてみており、それぞれの要素にスコアを0~9点で付けています。
・Fluency & Coherence(流暢さと一貫性):いかに止まらずにはなし、かつ、論理的に話せているかです。
・ Pronunciation(発音):正しく発音をできているかです。相手が問題なく理解できる発音が求められています。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Speaking-rotated.pdf
IELTS 9.0:ライティングのレベル
ライティングでは下記の4項目を採点基準としてみており、それぞれの要素にスコアを0~9点で付けています。注意点はライティングはタスク1とタスク2があり、タスク1:150ワード、タスク2:250ワードの最低限のワード数に到達しないと減点となります。そしてタスク1と2ではタスク2の配転が2倍あります。タスク1とタスク2でそれぞれ採点基準があります。
・ Task Achievement(タスクの達成度):問題で聞かれたことにこたえているかということです。図表などの情報を読みいたり質問されたことをまとめて回答する能力を問われています。
・ Coherence & Cohesion(話の一貫性と文章同士のつながり):論理的に矛盾なく議論が展開されているかです。「英語圏の人から見て」論理展開が分かりやすいかになります。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-1-rotated-1.pdf
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-2-rotated.pdf
IELTS 9.0を取るための勉強法&対策
それではここからはIELTS9.0を取るための勉強法及び対策について説明していきます。私がリーディング9.0とった際や満点を取得した方からのお話をもとにしていますので、役に立てる部分があれば幸いです。
採点基準を理解する
まずは今更なのです上記に述べたIELTSのレベル感および採点基準を理解しましょう。特にスピーキングとライティングは何を評価項目として見られているかを理解しながらご自身の弱点を補強する勉強が必要です。
IELTSの採点基準に関しては下記の記事に詳しく書きましたので合わせてごらんください。
全ての科目で9.0を取らなくてもOverall9.0は出る
IELTSでは点数の切り上げなどの計算が起こりますので、例えばどれかの科目で8.5や8.0がでても、Overallは9.0がでます。
詳しくは上で紹介した記事をご覧いただきたいのですが、例えばライティングはIELTSで最も難しく、9.0を出すのは至難の業です。このように苦手な科目があったとしても、他の科目で9.0を取れれば決してオーバーオールで4.0出すのは不可能ではありません。
また、実はリスニングやリーディングでも1問間違いまでは満点が出る可能性が高いので、完璧を目指しつつもある程度のミスは許容されると理解しながら臨みましょう。
圧倒的な「英語力」が必要になる
私のIELTS講師ネットワークで満点を取った方の共通点を見ますと、やはりIELTS満点レベルになると、おおよそ十年以上海外に住まれた経験がある方ばかりでした。
IELTSは試験対策力が当然問われるのですが、圧倒的な「英語力」そのものが問われます。パラフレーズや英語の論理性、ナチュラルさなどがまさにネイティブレベルでないと取れないレベルで、やはり、英語環境に浸った絶対量がものをいう部分はあるのかなというところです。
ただ、それでも生まれつきその国にそだったネイティブの方でなくとも取れている方はいますので、チャンスはあると思います。
IELTS 9.0は最高の難易度。試験対策力と英語力を身に着けてのぞもう
IELTS9.0はこのように他の試験と比較しても最高の難易度と実力を問われるレベルです。IELTSという試験自体への対策と同時に英語力の底上げを意識して狙っていきましょう。