IELTSの採点基準は?点数の採点方法やスコアの目安、レベル感を解説
「IELTSでより高得点を取得したい」、「事前に採点基準を知って対策しておきたい」 「試験を受け終わったが留学に必要なスコアを満たせているか不安だ」という方はぜひ本記事をご覧ください。
本記事では、IELTSの採点基準について、ライティング・スピーキング・リスニング・リーディングのそれぞれに分けて詳しくご説明させていただきます。
他にも日本では馴染みのあるTOEICや英検、TOEFLなどと比較をし、ご自身のレベルを可視化した上で、効率的に留学先大学から求められている点数を狙っていきましょう。
なお、本稿ではIELTSは留学で一般的なアカデミックモジュール、TOEICは、一般的に認知されているTOEIC® L&Rに関して解説します。
目次(クリックで飛べます)
IELTSの採点基準と採点方法を理解しよう:4科目ごとの採点基準&採点方法
では、いよいよIELTSの採点基準に関して確認していきましょう。まず初めに、IELTSは具体的に何問正解で何点という評価方法は開示されていません(そもそもライティングとスピーキングには絶対的な正解が存在しません)。
しかしリスニングとリーディングに関しておおよその正解数の指標があります。日本人の学習者でもリスニングとリーディングで8以上狙うのは難しいですが不可能ではありません。
スピーキングやライティングでは質問に的確に答えるだけでなく、自分の英語レベルが高いことを示すため意図的に複雑な構文で話すなどの英語で話す、書くスキルを総合的にみられます。
上記の事を理解したうえでオーバーオールスコア、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングそれぞれ採点基準を参照にしながらスコアメイクしていきましょう。
IELTSオーバーオールスコアの採点基準
IELTSの0~9までのオーバーオールバンドスコアの評価は下記のとおりです。このディスクリプタ(Descriptor)の基準にあったパフォーマンスをするとそれぞれのスコアが得られます。
バンドスコア | 評価 | 詳細 |
9 | エキスパート・ユーザー | 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で、完全な理解力もある。 |
8 | 非常に優秀なユーザー | 時折、非体系的な不正確さや不適切さがみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。 慣れない状況においては、誤解が生ずることもありえる。込み入った議論に、うまく対応できる。 |
7 | 優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。 複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。 |
6 | 有能なユーザー | 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。 特に、慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。 |
5 | 中程度のユーザー | 部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。 ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。 |
4 | 限定的ユーザー | 慣れた状況おいてのみ、基本的能力を発揮できる。 理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。 |
3 | 非常に限定的なユーザー | 非常に慣れた状況おいて、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。 コミュニケーションが頻繁に途絶える。 |
2 | 一時的なユーザー | 確実なコミュニケーションを行うことは不可能。慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。 英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。 |
1 | 非ユーザー | いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を有していない。 |
0 | 非受験者 | 評価可能な情報なし。 |
IELTSはスコア採点の仕組み:0.5刻み&端数の切り捨て/切り上げで点数が出る
IELTSは0.5点刻みで点数が与えられます。それをIELTSではバンドスコアと呼んでいます。下記の内容でそれぞれの科目のバンドスコアが出ます。
【各科目の内容】
リスニング:40問(40分)正解数より9.0点満点に換算される
リーディング:40問(60分)正解数より9.0点満点に換算される
ライティング:2問(60分)2タスクより9.0点満点に換算される
スピーキング:11-14分 3パートより9.0点満点に換算される
また、四技能の平均値を割り出した点数をオーバーオールスコアと言います。したがって、平均点が6.125など0.5刻みのスコアにならない場合があります。
そのような場合は、その数字に一番近いバンドスコアが付与されることになります。切り上げは0.25点刻みで行われます。
例えば四技能の平均が4.24点以下の場合、オーバーオールは4.0点になり、平均が4.25点以上の場合は、オーバーオールが4.5点となります。いくつか具体例をあげておきます。
5.875 ▶︎ OverAll BAND 6.0(切り上げ)
6.125 ▶︎ OverAll BAND 6.0(切り下げ)
6.25 ▶︎ OverAll BAND 6.5(切り上げ)
6.375 ▶︎ OverAll BAND 6.5(切り上げ)
6.675 ▶︎ OverAll BAND 6.5(切り下げ)
6.75 ▶︎ OverAll BAND 7.0(切り上げ)
IELTSリーディングの採点基準&採点方法
リーディングの採点基準としておおむね下記の正解数を参考にしてください。
合計(各40問)
スコア | 正解数 |
9 | 39-40 |
8.5 | 37-38 |
8 | 35-36 |
7.5 | 33-34 |
7 | 30-32 |
6.5 | 27-29 |
6 | 23-26 |
5.5 | 19-22 |
5 | 15-18 |
4.5 | 13-14 |
4 | 10-12 |
3.5 | 8-9 |
3 | 6-7 |
2.5 | 4-5 |
IELTSリスニングの採点基準&採点方法
リスニングの採点基準としておおむね下記の正解数を参考にしてください。
スコア | 正解数 |
9 | 39-40 |
8.5 | 37-38 |
8 | 35-36 |
7.5 | 32-34 |
7 | 30-31 |
6.5 | 26-29 |
6 | 23-25 |
5.5 | 18-22 |
5 | 16-17 |
4.5 | 13-15 |
4 | 10-12 |
3.5 | 8-9 |
3.0 | 6-7 |
2.5 | 4-5 |
IELTSスピーキングの採点基準&採点方法
スピーキングでは下記の4項目を採点基準としてみており、それぞれの要素にスコアを0~9点で付けています。
・Fluency & Coherence(流暢さと一貫性):いかに止まらずにはなし、かつ、論理的に話せているかです。
・ Pronunciation(発音):正しく発音をできているかです。相手が問題なく理解できる発音が求められています。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Speaking-rotated.pdf
IELTSライティングの採点基準&採点方法
ライティングでは下記の4項目を採点基準としてみており、それぞれの要素にスコアを0~9点で付けています。注意点はライティングはタスク1とタスク2があり、タスク1:150ワード、タスク2:250ワードの最低限のワード数に到達しないと減点となります。そしてタスク1と2ではタスク2の配転が2倍あります。タスク1とタスク2でそれぞれ採点基準があります。
・ Task Achievement(タスクの達成度):問題で聞かれたことにこたえているかということです。図表などの情報を読みいたり質問されたことをまとめて回答する能力を問われています。
・ Coherence & Cohesion(話の一貫性と文章同士のつながり):論理的に矛盾なく議論が展開されているかです。「英語圏の人から見て」論理展開が分かりやすいかになります。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-1-rotated-1.pdf
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-2-rotated.pdf
IELTSの点数換算!他試験を目安に比較してみよう
以下の図より大まかな比較をご覧ください。ご自身の保持している資格とも照らし合わせて、大まかな目安を確認した上で、レベルアップにのぞみましょう。
ちなみにまだ資格試験を受験したことのない方の為に参考として、日本英語検定協会によれば、高校卒業程度の英語力は英検二級とされています。ただ、各々のテストは問題の内容、目的、採点基準どれも大きく異なるものとなるため、あくまでもご自身の大体のレベルとして考えましょう。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC L&R | 英検 |
---|---|---|---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 627-677 | 945-990 | 英検1級 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 543-626 | 785-940 | 準1級~1級 |
B1 | 4.0-5.0 | 42-71 | 460-562 | 550-780 | 2級~準1級 |
A2 | 該当なし | 該当なし | 337-459 | 225-545 | 準2級~2級 |
A1 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 120-220 | 3級~準2級 |
IELTSとTOEFLの点数比較
まずはじめにTOEFLとIELTSは、どちらも世界で認知されていますがよく使われる地区が大きく変わります。TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、主にアメリカ英語を話されている地域で広く利用されています。対してILELTSは、イギリス英語が主流な国やヨーロッパ、アジアで広く使われています。
テストの内訳に関しては、どちらもリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4項目から採点されます。
留学の際の点数は大学によって様々ではありますが、一般社団法人日本ワーキングホリデー協会によると、海外大学に必要なIELTS平均スコアは最低でも学士/大学院レベルで6.0-6.5点以上です。一流大学になると7.0~7.5など必要になります。
対してTOEFL iBTをご利用の場合は、学士レベルで最低でも61点、大学院レベルでは最低では79-80点必要になります。なおレベルの高い大学院になればIELTSで7.0-7.5点、TOEFL iBTで100点以上求められる場合もあります。希望大学の募集要項をしっかり確認した上で準備をしましょう。
IELTSと英検の点数比較
IELTSと英検では大きく性質が異なります。前項目で述べたようにIELTSは世界的に広く認知されています。対して英検は主に日本での認知度が非常に高くなっています。
留学をご検討の場合は、一般的にIELTSを受ける場合が多いです。国内で認知されている英検は、就職活動等でわかりやすいアピールポイントになるかもしれません。
テストの性質としては、IELTSは合否で判断されず現在の英語力が数値化され結果として帰ってきます。反対に英検は受からなければ不合格になります。
高校卒業時の英検レベルが2級相当とした場合、先ほどの図からわかるように英語の得意な大学生は、IELTSでは5.0点ほどのポテンシャルがあることがわかります。現在大学生で海外留学を目指しているのであれば約1.5点を伸ばせば留学の可能性が見えてくることがわかります。
難易度としては、IELTSの8.5-9.0点は英検1級より難しいです。英検1級を私は持っていますが、8.5~9.0は取ったことがありません。また、ネイティブでもこのレベルの点数は取ることが難しいですが、正直ここまでのスコアはほぼ必要ないでしょう
上記のような性質や用途を考慮したうえでどちらを受験するか決めてもいいかもしれません。
IELTSとTOEICの点数比較
この二つも大きく特性のことなるテストです。上記にもあるようにIELTSは、四技能をはかられますが、一般的に認知されているTOEIC® L&Rには、スピーキングやライティングがありません。日本人の多くはスピーキングを苦手とする方が多いので、それらを踏まえてもテストの結果が大きく変わるかもしれません。
日本企業での就職のためならTOEIC、留学を考えているのであればIELTSを受験してもいいかもしれません。
また、TOEICは、よりビジネスにフォーカスした設問となり、問われる能力もIELTSのようなアカデミックな内容と少し異なります。点数は、IELTSの6.0-6.5点は、TOEICの740-870点ほどとなりますが、実際のトータルの英語力としてはIELTS6~6.5の方のほうが高いといえるでしょう。
他の試験とIELTSの比較についての詳細は下記記事がよく読まれてますのでご参照ください。
IELTSの採点基準やスコアに関するその他注意点など
IELTSは留学に主に使われるアカデミックモジュールと仕事や移住で使われるジェネラルモジュールの2つに分けられます。必ずどちらのモジュールが必要かを確認しましょう。
また、受験方法はコンピューター式とペーパー式の二つから選ぶことが可能です。なお、どちらを選んでもスピーキングでは、ネイティブとの面接にあることは変わりません。
試験時間は約170分ほどになります。基本的にはペーパーもコンピューターも同じ試験なため、タイピングに自信がある方は、コンピューター受験、紙に書く方が得意な方はペーパー受験を選んでも良いかもしれません。採点基準はどちらの方式で受けても変わりません。
テストの点数は1.0-9.0のスコアで判断されます。結果はテスト実施日より2年間有効となります。多くの大学が必要最低ラインを設けています。留学を考えている際は、必ず必要点を確認しましょう。
日本人のIELTS平均スコアは?自分のレベルは今どこ?
ご参考までに日本人のIELTSの平均スコアは以下の通りです。
2019年IELTSアカデミックモジュール平均点
リーディング:6.1
リスニング:5.9
ライティング:5.5
スピーキング:5.5
Overall:5.8
日本人の平均はオーバーオールスコアで5.8点となっています。英検準一級ほどのレベルとなっていることがわかるため、IELTS受験者の英語への関心およびレベルが一般の日本人よりも高いことがわかります。海外大学に向けてしっかりと勉強に取り組んで来たのがわかりますね。
ちなみに仕事や移住で使われるジェネラルモジュールでもOverallでは5.8が平均点ですが、アカデミックよりもライティングやスピーキングのスコアが高くなっており、生活で英語を実際に使う方が多く受けているのではと思われる結果になっています。
2019年IELTSジェネラルモジュール平均点
リーディング:5.6
リスニング:6.0
ライティング:5.6
スピーキング:5.8
Overall:5.8
https://www.ielts.org/for-researchers/test-statistics/test-taker-performance
IELTSで6.0点は公式の見解として有能なユーザーとされています。また少しの荒さはあるものの、英語を駆使して慣れたトピックでは複雑な内容もこなすことができるとされています。これも海外で学校を受講する際には必要な能力なため、多くの留学先最低でも6.5点と掲げているのが頷けます。
留学や資格としてIELTSを活用されたい方は、これらを踏まえ自分がどこのレベルにいるか考えてみましょう。
高校までの英語が得意で好きだった方はポテンシャルとして5.0点を叩きだき出す可能性があると言えるでしょう。そして、大学に入って英語で論文を呼んだり継続して英語に取り組んできた方は5.5-6点ほどを狙えるかもしれません。
IELTSの点数の採点基準/採点方法は?スコアの目安、レベル感を解説のまとめ
いかがだったでしょうか?IELTSは四技能で判断されそれぞれが9.0満点より判断されます、海外大学を目指すなら最低でも6.0-6.5点ほどは必要になります。しっかりと準備をして必要な点数を目指しましょう!
具体的なIELTSの勉強方法は下記の記事を参考にしてください。
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