IELTS(アイエルツ)の難しさ、難易度って?各スコアと他英語テストとの比較
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アイエルツ(IELTS)とはどんなテストかをおさらい
IELTSとはInternational English Language Testing Systemの略で、 主にイギリスやオーストラリアなどの旧イギリス連邦系の国への留学や移住の際に使われる英語力のレベルをはかるテストです。最近はイギリス系以外の国以外の留学にも使えるようになりました。日本では英検の団体が運営しています。
主に留学に使われるアカデミックモジュールと移住や仕事関連で使われるジェネラルモジュールがあり、目的により受験するものが変わります。IELTSの難易度が変わるというより中身が変わるということですので自分に必要なものを受けましょう。
IELTSで高得点を取ることは留学や就職の際の英語力の客観的な証明となり、事実多くの大学などの高等教育機関や企業でIELTSスコアの提出を求められます。逆に良い点を取れれば大きなアピールになりますので頑張って高得点を狙いましょう。
TOEFL,TOEICなどその他英語試験との難易度の違いとスコア比較表
IELTS含め英語力を証明するテストはほかにも色々あり点数で示すものや級で占めるものなど様々です。各テスト間での難易度レベル換算に関しては下記の表の概要イメージを利用ください。IELTSの特徴としてスコアを追加で5枚まで無料で取得できるので複数の機関に申し込みする際に便利です。またスコアはオンラインでも確認できます。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC L&R | 英検 |
---|---|---|---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 627-677 | 945-990 | 英検1級 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 543-626 | 785-940 | 準1級~1級 |
B1 | 4.0-5.0 | 42-71 | 460-562 | 550-780 | 2級~準1級 |
A2 | 該当なし | 該当なし | 337-459 | 225-545 | 準2級~2級 |
A1 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 120-220 | 3級~準2級 |
*下記情報など参考に独自に制作。
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf
https://www.toefl-ibt.jp/toefl-itp/testtaker/about.html
https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/toeic_cefr.html
http://www.iibc-global.org/library/redirect_only/library/toeic_data/sw/pdf/score_comparison_list.pdf
IELTSとTOEFLの違い
TOEFLはTest of English as a Foreign Languageの略でトーフル、トフルと読みアメリカ圏への留学に主に使われます。
最近はイギリス系の大学でも受け入れられることが多くなりましたし、もしTOEFLのほうが得意で留学したい大学が許可している場合はこちらを選ぶのもありです。
ITELSとTOEFLはそれぞれ癖があるテストですので希望する大学や受け入れ先がどちらも受け入れている場合ご自身にあったものを選びましょう。
- IELTSは人間の面接官がスピーキングテストを行います。TOEFLは面接官とのスピーキングテストはなく、パソコンに録音する形で行いますので慣れないととまどいます。
- IELTSはライティングを紙で受けることができます。
- IELTSとTOEFLは試験内容のパターンが違うので、それぞれ対策が必要です。最初に対策本などを解いてみて(必ず解いてみてください)、得意そうなほうにしましょう。
- 2020年10月現在IELTSの受験料が25,380円(税込)、TOEFLが235USDとなっています。どちらも受験するだけでなかなかの金額ですね。ちなみにどちらも年々高くなっています。
- IELTSはイギリス系英語でTOEFLは北米の英語です。TOEFLを使いイギリスへ留学をすると現地で大変かと思いますが、スコア取得から留学開始までの間に準備しましょう。逆もまたしかりです。
- IELTSは難易度が1.0~9.0で表示されるのに対してTOEFLは120点が満点という評価です。
まとめるとIELTSをうけるかTOEFLを受けるかは上記の内容を踏まえたうえで下記の視点で決めるといいでしょう。
1)受け入れ先がどちらのスコアを認めているか
2)両方受け入れているなら自分はどちらが得意か
3)どちらも得意なら行先の国でアメリカ英語かイギリス英語か
TOEFLはペーパーベースのITPと、コンピューターを使って行うTOEFL iBTの2種類がありますが、留学に使われるのはTOEFL iBTです。TOEFLは自宅受験も可能です。TOEFLの自宅受験について詳しく知りたい方は下記記事もご覧ください。
IELTSとTOEICの違い
TOEICはTest of English for International Communicationの略でトーイックと読みます。目的がビジネス英語力を測定することに使われます。日本と韓国では非常に一般的になりました。TOEICを留学時の英語スコアとして使えることは少ないのでTOEFLのほうが一般的です。
リーディングとリスニングのみを図るものと、ライティングとスピーキングを図るものなど細分化されています。一般的にはリーディングとリスニングのテストが使われます。TOEICはビジネス向けの語彙や話題が中心となっており、日本や韓国で非常に一般的になっています。
IELTSと英検の違い
英検は英語検定試験の略で皆さんも学生時代に受けさせられたことが多いのではないでしょうか。一般的な英語力を図るもので、英語の4技能プラス幅広い単語力などの知識が求められます。英検では3級から面接官とのスピーキングテストがあります。
英検を使った海外留学もできますが認められる大学などはIELTSやTOEFLとくらべるとだいぶ少ないので素直に上記どちらかを受験することがおすすめです。同じくIELTSと難易度では大きく変わらないとされますが、得意不得意が結構出ます。
他の試験との細かな比較は下記の記事がよく読まれているのでご参照ください。
アイエルツ(IELTS)のテスト内容全体像
リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングという英語の4技能をバランスよくみるもので、人間の面接官とのスピーキングテストがあります。会場のインストラクションからすべて英語で行われ独特の試験形式で行われるので対策は必須です。コンピューター方式とペーパー方式を選ぶことができます。どちらも難易度は変わりません。
コンピューター方式の場合
- リスニング(30分)※リスニングの最後に2分間の見直し時間があります。
- リーディング(60分)
- ライティング(60分)
- スピーキングテスト(11~14分) 試験官との面接です。
試験結果は試験日から3~5営業日後とかなりの速さででてきます。
ペーパー方式の場合
- ライティング(60分)
- リーディング(60分)
- リスニング(40分)※最後10分で解答を紙にうつします。
- スピーキングテスト(11~14分) 試験官との面接です。
試験結果は試験日から13日後にでます。
アイエルツ(IELTS)の難易度・スコア・採点方法
IELTSの難易度やどのようにスコアが評価されるかわかればどのように学習していけばの対策がしていけますのでしっかり理解しましょう。
ここではスコアの考え方、各スコアの難易度の詳細を説明します。ちなみにIELTSの難易度は絶対評価ですので他の受験者との相対評価ではありません。勉強を続ければ着実にスコアは上がるので頑張りましょう。
IELTSの評価の仕方
0~9.0へと数値が上がるごとに評価が上がり、0.5点刻みでスコアが上がります(3.0、3.5、4.0などのように)。満点の9.0はネイティブでも取れないほど難易度が高いです。
リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4つのスキルをそれぞれ評価し、それぞれの平均をOverallの評価点として採用されます。0.24以下は切り捨てとなります。
ちなみにIELTSは具体的に何問正解で何点という評価方法は開示されていません(そもそもライティングとスピーキングには絶対的な正解が存在しません)が、リスニングとリーディングに関しておおよその指標としては下記といえると思います。日本人の学習者でもリスニングとリーディングで8以上狙うのは難しいですが不可能ではありません。
スピーキングやライティングでは質問に的確に答えるだけでなく、自分の英語レベルが高いことを示すため複雑な構文で話すなどの英語で話す、書くスキルを総合的に求められます。
上記の事を理解したうえでリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングそれぞれ採点基準を参照にしながらスコアメイクしていきましょう。
IELTSリーディングの採点基準&採点方法
リーディングの採点基準としておおむね下記の正解数を参考にしてください。リーディングはアカデミックモジュールとジェネラルモジュールでターゲットとなる正解数が変わります。
アカデミック:合計(各40問)
スコア | 正解数 |
9 | 39-40 |
8.5 | 37-38 |
8 | 35-36 |
7.5 | 33-34 |
7 | 30-32 |
6.5 | 27-29 |
6 | 23-26 |
5.5 | 19-22 |
5 | 15-18 |
4.5 | 13-14 |
4 | 10-12 |
3.5 | 8-9 |
3 | 6-7 |
2.5 | 4-5 |
ジェネラル:合計(各40問)
スコア | 正解数 |
9 | 40 |
8.5 | 39 |
8 | 37-38 |
7.5 | 36 |
7 | 34-35 |
6.5 | 32-33 |
6 | 30-31 |
5.5 | 27-29 |
5 | 23-26 |
4.5 | 19-22 |
4 | 15-18 |
3.5 | 12-14 |
3 | 9-11 |
2.5 | 6-8 |
https://ieltsjp.com/get-ielts-results/ielts-bandscores/ 参照
IELTSリスニングの採点基準&採点方法
リスニングの採点基準としておおむね下記の正解数を参考にしてください。
スコア | 正解数 |
9 | 39-40 |
8.5 | 37-38 |
8 | 35-36 |
7.5 | 32-34 |
7 | 30-31 |
6.5 | 26-29 |
6 | 23-25 |
5.5 | 18-22 |
5 | 16-17 |
4.5 | 13-15 |
4 | 10-12 |
3.5 | 8-9 |
3.0 | 6-7 |
2.5 | 4-5 |
IELTSスピーキングの採点基準&採点方法
スピーキングでは下記の4項目を採点基準としてみており、それぞれの要素にスコアを0~9点で付けています。
・Fluency & Coherence(流暢さと一貫性):いかに止まらずにはなし、かつ、論理的に話せているかです。
・ Pronunciation(発音):正しく発音をできているかです。相手が問題なく理解できる発音が求められています。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Speaking-rotated.pdf
IELTSライティングの採点基準&採点方法
ライティングでは下記の4項目を採点基準としてみており、それぞれの要素にスコアを0~9点で付けています。注意点はライティングはタスク1とタスク2があり、タスク1:150ワード、タスク2:250ワードの最低限のワード数に到達しないと減点となります。そしてタスク1と2ではタスク2の配転が2倍あります。タスク1とタスク2でそれぞれ採点基準があります。
・ Task Achievement(タスクの達成度):問題で聞かれたことにこたえているかということです。図表などの情報を読みいたり質問されたことをまとめて回答する能力を問われています。
・ Coherence & Cohesion(話の一貫性と文章同士のつながり):論理的に矛盾なく議論が展開されているかです。「英語圏の人から見て」論理展開が分かりやすいかになります。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-1-rotated-1.pdf
https://ieltsjp.com/wp-content/uploads/sites/3/2019/07/JP-Writing-2-rotated.pdf
IELTS各スコアと難易度
大まかなIELTSの難易度の基準として、日本人の平均スコアは5.8程度です。
https://www.ielts.org/for-researchers/test-statistics/test-taker-performance
ですので、まずはここが一つの目安となります。6.5~7.0が大学留学の目安で、トップ大学や大学院では7.5がターゲットになります。ちなみに語学留学では必要とされることはほとんどありません。
各スコアの評価は下記のとおりです。
バンドスコア | 評価 | 詳細 |
9 | エキスパート・ユーザー | 十分に英語を駆使する能力を有している。適切、正確かつ流暢で、完全な理解力もある。 |
8 | 非常に優秀なユーザー | 時折、非体系的な不正確さや不適切さがみられるものの、十分に英語を駆使する能力を有している。 慣れない状況においては、誤解が生ずることもありえる。込み入った議論に、うまく対応できる。 |
7 | 優秀なユーザー | 時折、不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を駆使する能力を有している。 複雑な言語も概して上手く扱っており、詳細な論理を理解している。 |
6 | 有能なユーザー | 不正確さ、不適切さ、および誤解がいくらか見られるものの、概して効果的に英語を駆使する能力を有している。 特に、慣れた状況においては、かなり複雑な言語を使いこなすことができる。 |
5 | 中程度のユーザー | 部分的に英語を駆使する能力を有しており、大概の状況において全体的な意味をつかむことができる。 ただし、多くの間違いを犯すことも予想される。自身の分野においては、基本的なコミュニケーションを行うことができる。 |
4 | 限定的ユーザー | 慣れた状況おいてのみ、基本的能力を発揮できる。 理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言語は使用できない。 |
3 | 非常に限定的なユーザー | 非常に慣れた状況おいて、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。 コミュニケーションが頻繁に途絶える。 |
2 | 一時的なユーザー | 確実なコミュニケーションを行うことは不可能。慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を単語の羅列や短い定型句を用いて伝えることしかできない。 英語による会話、および文章を理解するのに非常に苦労する。 |
1 | 非ユーザー | いくつかの単語を羅列して用いることしかできず、基本的に英語を使用する能力を有していない。 |
0 | 非受験者 | 評価可能な情報なし。 |
大まかな目安としては下記のスコアをとっていれば一安心といえます。
いわゆるいい大学や大学院に行きたい場合→6.5~7.5
会社の入社条件として使われる場合→7~7.5など
ヨーロッパ系の企業ではTOEFLではなくIELTSのスコアを求められることがあるので入社時に確認しましょう。
IELTSの採点基準や採点方法の詳細について詳しく知りたい方は下記記事も併せてごらんください。
どんな人がアイエルツ(IELTS)を受けるの?
IELTSは世界中の人々が目的に合わせて受けています。ただどんな人にも共通して言えるのが、このIELTSを使って留学や移住、就労などの何か明確な目的があるということです。IELTSには年齢制限などありませんので小学生からリタイアした方まで幅広い人が受けています。
IELTSを受験する目的と利用方法
IELTSを受験する目的は様々ですが、主な目的は留学と移住です。アカデミックモジュールが留学、ジェネラルモジュールが永住や仕事など向きになります。学生さんで受ける方が多いですが、研究者やアーリーリタイアしたい方など多くの方も受けてらっしゃいます。
この二つのモジュールはリーディングとライティングの試験内容が違うだけでほかの内容は同じです。アカデミックでは当然内容が大学などで使うような内容になりますがジェネラルはより一般的な内容になります。
英語力を総合的に上げたい人にもおすすめできるテスト
IELTSは英語の4スキルを総合的に高めるのに役に立つものですので、ご自身が趣味で英語を勉強しているときの一つの道しるべにものなります。
正直世界では英検の知名度はほぼないので、IELTSかTOEFLを学習することはとてもおすすめできます。IELTSはアカデミックとジェネラルがあるので、そこが選べるのもいいところでしょう。
アイエルツ(IELTS)の難易度に関してまとめ
- IELTSの難易度は0~9まで0.5刻み
- 日本人の平均は5.8
- 大学の学部留学を目指すなら6.5~7.0
- トップ大学や大学院を目指すなら7.5
以上となります。IELTSの勉強法や対策については下記記事がよく読まれているので、こちらもご覧ください。
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