IELTS 8.0の難易度は?必要な勉強時間や対策・勉強法・参考書をまとめてみた
「IELTS 8.0ってとれるんですか?」
たまに伺う質問です。結論からすると取れます。が、その難易度やどれくらい勉強時間が必要かわかる方はあまり多くないのではないでしょうか。
IELTS 8.0 はなかなか険しい道ですがこの記事では具体的な学習法など含めて解説していきます。実際に取得した私の経験や指導している内容に基づいて説明しますので、普通は目指す必要ないこのレベルを目指すいい意味で変態なあなたのお役に立ててください。
目次(クリックで飛べます)
IELTS8.0の難しさのレベル感は?独学でも行ける?
まずはIELTS 8.0 の難易度について説明します。英語の試験は英検やTOEICなど様々ありますが、それらと比べてどれくらいのレベルなのかを理解するところから、現状の自分の力との差を見てみましょう。
英検1級やTOEIC満点より難しさは上
まず、各試験の点数比較表を見てみましょう。
CEFR | IELTS | TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC L&R | 英検 |
---|---|---|---|---|---|
C2 | 8.5-9.0 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 該当なし |
C1 | 7.0-8.0 | 95-120 | 627-677 | 945-990 | 英検1級 |
B2 | 5.5-6.5 | 72-94 | 543-626 | 785-940 | 準1級~1級 |
B1 | 4.0-5.0 | 42-71 | 460-562 | 550-780 | 2級~準1級 |
A2 | 該当なし | 該当なし | 337-459 | 225-545 | 準2級~2級 |
A1 | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 120-220 | 3級~準2級 |
これを見るとIELTS 8.0は英検1級やTOEIC満点などと同じように見えますが、実際に英検1級そしてTOEIC満点を持っている私から見るとIELTS 8.0 のほうが数段難しい印象です。特にTOEIC L&Rはスピーキングとライティングがないので、負担が全く違います。
ちなみにIELTS公式で8.0は「非常に優秀なユーザー」と評価され、その特徴は下記となっておりいます。
慣れない状況においては、誤解が生ずることもありえる。込み入った議論に、うまく対応できる。
IELTSの点数や採点基準に関しては下記の記事に詳しく書きましたので、あわせて確認ください。
独学ではほぼ無理。ネイティブでも対策しないと取れない。
独学で8.0を取れるかという質問もよく受けますが、おそらく難しいでしょう。
IELTSはネイティブでも対策しないと満点が取れないテストです。特にライティングやスピーキングではIELTSで評価される書き方や話し方をしないとスコアが伸びません。
IELTS8.0というのは9.0点が満点のIELTSでほぼミスなく得点しないといけないものですので、スクールに通ったり、添削サービスを受けるなどして、IETLSに対する「試験対策力」を付けないと難しいでしょう。
IELTS 8.0の取り方:スコアメイクの方法を考えよう
では、IELTS 8の難易度が分かったところで具体的にどうとるかの話に入っていきましょう。ここではOverall8.0を取るための方法について話していきましょう。
現実的なIELTS8.0の取得方法はこうだ
まず、大前提として、一番スコアが伸びないのが「ライティング」であるということをお伝えします。例えば、国別IELTSのスコアランキング上位のドイツは下記のような点数分布です(2019年アカデミックモジュール)。
リーディング 7.7
リスニング 7.9
スピーキング 7.4
ライティング 6.3
Overall 7.4
このように、ライティングだけ平均スコアより1以上低いです。
他の国を見ていてもライティングは基本的に他の科目よりも点数が低い=IELTSで一番難しいのはライティングというのは間違いないでしょう。
ですので、目指すOverallスコアよりライティングで1程度落としてもカバーできるスコアメイクをする必要があります。具体的には下記のような点数を狙うことになるでしょう。
リーディング 8.5 ~ 9.0
リスニング 8.5 ~ 9.0
スピーキング 7.0 ~ 8.0
ライティング 6.5 ~ 7.5
Overall 8.0
リーディングとリスニングで点数を引っ張り、スピーキングとライティングをカバーするというスコア構成になっており、スピーキングが得意で7.5~でるならリーディングとリスニングをもう少し下げてもいいのですが、苦手な方は上記のスコアを目指すのが現実的でしょう。
Overall 8.0ということは4科目合計スコアが32点必要ということではなく、合計31点=7.75でも切り上げで8.0になります。1点Overallで落としても8.0は狙えますので、とにかく各科目0.5点でもあげられるよう粘っていきましょう。
筆者が実際に8.0とった時のスコア
私が実際にOverall取った時のスコア分布は下記のとおりです。
リーディング 9.0
リスニング 8.5
スピーキング 7.5
ライティング 7.0
Overall 8.0
リーディング満点は多少運もあったかとおもいますが、これが8.5でもOverall 8.0は出ましたので、狙った形になったと思います。
ライティングは何回か受けた際に運がよいと8.0出たこともあり、逆に相性が悪い問題が出てしまうと6.5を出したこともありましたが、おおむね7.0~7.5で収まっていましたのでこれくらいの実力が事前にあると8.0は狙えるでしょう。ただ、運にある程度左右される部分はありますので、0.5足りないなどの時は連続受験をお勧めします。
私以外の生徒さんや知り合いで8.0を取った人間でもおおよそ上記のような点数分布であり、7.5目指す中でたまたま8.0に届いたという場合もあります。
IELTS 8.0に必要な勉強時間
IELTS対策では0.5上げるのに300時間かかるという都市伝説的ベンチマークがあるのですが、これは毎日2時間勉強して5か月程度なので、おおよそ間違ってないかなという印象です。
ただ、試験慣れの問題もあるので、やると決めたら毎日2時間以上、特に土日などの日はもっと集中して行ったほうがいいでしょう。私は最もIELTSを勉強していた時期は土日は12時間ずつくらい勉強していました。
IELTS 8.0対策で使った参考書
ここでは実際に私が使ったり、おすすめしている参考書を紹介します。正直このレベルに来るとあまり教材により点数の差はでないので、王道のものの紹介になりますが、もしもまだお持ちでない場合は抑えておくことをお勧めします。
IELTS Cambeigdeのナンバーシリーズ
いわずと知れたIELTSの運営母体でもあるCambridgeから出版されている問題集です。詳しい解説がないのが難点ですが、問題の難易度が適切だと思います。この参考書のリーディングとリスニングで満点が取れるくらい復習すること大切です。
下記バナーのもの以外の過去のものも役に立つので、必要に応じ手に入れておきましょう。
実践IELTS英単語3500
IELTS受験者のバイブル的問題集です。
この実践IELTS英単語3500はまさに「ザ・単語帳」という感じで見開きにいっぱいの単語をひたすら覚えていきます。例文も載っています。つらい人にはつらい構成ですが8.0を目指すなら、この本に出てくる英単語は最低カバーしておきたいです。
IELTS 8.0獲得のための勉強法や受験対策
ここでは実際に8.0を獲得するための各科目の対策について説明していきます。
リーディング対策
リーディングセクションについてですが、Overall 8.0を目指すのであればなるべく満点か、少なくとも8.5は取っておかないとつらいセクションです。スコアのミスは3問以下に抑える必要があります。
対策として一番大事なのは「問題集の復習」です。
単語や文法的に取れないところをなくすのは当たり前で、「なぜ間違えた」のかを考えて徹底的につぶす必要があります。復習には実際のテストの2倍以上の時間をかかるのは当たり前ですのでじっくりやしましょう。
苦手分野をつぶさないで問題数をたくさん解いてもスコアはあまり伸びないので、ミスをつぶすことを特に気を付けましょう。そのうえで問題数をこなしましょう
リーディングの勉強法に関しては下記記事でも詳しく紹介しています。
リスニング対策
リスニングに関してもリーディングと同じくOverall8.0の為にはできれば満点、最低8.5が欲しいところです。ミスは3問以下に抑える必要があります。
対策としては大事なのは「問題数をこなすこと」です。このレベルを目指すあなたは、おそらくIELTSの英語を聞き取れないということはほぼないレベルのはずです。
もしもある場合はシャドーイングやディクテーションなどを行うこと。そうでない場合は問題形式に慣れることが最も効果的だと思います。慣れてくるとどのような回答がくるか予想しながら聞くことができると思います。
また、もしイギリス英語に慣れていないということがあれば、下記にイギリス英語について詳細な記事を書きましたのでご参照ください。
また、IELTSのリスニング対策に関しては下記記事で詳しく書いています。
ライティング対策
IELTSのOverall8.0を狙うときに、一番足を引っ張るのがこのパートだと思います。多くの方が6点台で苦しむことになると思いますが、大きく言ってやるべきことは3つです。
1.採点基準を知る
ライティング6点台の人で意外に多いのが、そもそもライティングでどういった点を評価されているか知らない点です。具体的には下記の4項目が評価対象です。
・ Task Achievement(タスクの達成度):問題で聞かれたことにこたえているかということです。図表などの情報を読みいたり質問されたことをまとめて回答する能力を問われています。
・ Coherence & Cohesion(話の一貫性と文章同士のつながり):論理的に矛盾なく議論が展開されているかです。「英語圏の人から見て」論理展開が分かりやすいかになります。
・ Lexical Resource(語彙の豊富さ):単語力です。同じ内容を話すときも言い換えなどができるかが求められます。
・ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性):文法の幅ですので、例えば現在形と過去形だけを使っていてもハイスコアになりません。それらを正確に使う力を求められています。
そして、Task1とTask2はそれぞれ評価されるポイントが異なります。詳しくは下記記事で書きましたので、ご存じでない場合は確認してください。
ライティングのスタイルを理解する
IELTSのライティングで求められるのは「フォーマル」かつ「客観的」かつ「具体的」な書き方のスタイルです。
例えばフォーマルでいえば、「短縮形で書かない」、客観的で言えば「I believe」などでのべない、具体的で言えば「Doでなく、Implement, performなど具体的どんな動作をするかわかる単語で書く」などがあります。
参考書を見ながら、どのように書くと評価されるかを見返しながら実際に書いてみましょう。参考書の例として下記を上げておきます。
添削サービスを利用する
ライティングの癖を自分で見抜くのは難しいものです。ですので、必ずいくつかのライティングを添削してもらいましょう。スクールやオンラインの添削サービスを利用し、自分がいつも落とす癖のある文法事項などをつぶしておかないと、7以上を狙うのが難しくなります。
ライティング対策に関しては下記記事でも詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。
スピーキング対策
スピーキングもIELTS8.0を狙うにあたって足を引っ張ることの多い範囲です。私自身がやっていること、そして生徒さんにおすすめしている中で、最も効果があるのが、IELTSのオンライン対策コースを受けることです。
IELTSの採点基準にも入っている「流暢性」が日本人学習者にはたりていません。
値段の安いオンラインの対策コースで英会話の絶対量を増やすことからまず初めて、そのうえで話の中身のレベルをあげるということが一番の近道です。
IELTSのオンライン対策コースは下記の記事で詳しく書きましたのでそちらを参照いただきたいのですが、繰り返しますが、まずは「絶対的な会話量」が必要です。
IELTS対策コースはどのようなトピックが実際のテストで出るかも含めて対策できるので、スピーキングで7以上狙う場合は利用するようにしましょう。
スピーキング対策の詳細は下記の記事でも執筆していますので合わせてごらんください。
IELTS 8.0は達成可能、スコアメイクの方法を理解し対策を練ろう
IELTS8.0は難しいですが、達成可能な点数です。各科目でどれだけ伸ばせばいいのか理解したうえで、必要な対策を講じていきましょう。
IELTSスコア7.0や7.5を狙う記事は下記で紹介していますので合わせてごらんいただければ幸いです。