英語の発音上達のコツ:効果的な練習法でネイティブに伝わる発音を
英語の発音は、英語を学ぶ日本人の多くが向き合い、戦ってきたものです。うまくコツを掴み、綺麗な発音を習得し英語を話すことを楽しめるようになる方もいれば、逆に頑張りすぎて笑われてしまい大きなコンプレックスを抱いてしまっている方も多いのではないでしょうか。
苦手意識を持っている方もそうでない方もまず、なぜ伝わらないのか、どうしたら伝わるのかを正しく理解し、意識し始めることで今後の英語との向き合い方が変わっていくはずです。
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英語の発音が悪いと伝わらない理由
Toddというごく一般的な名前があります。日本語風に読めば、トッドですよね。
しかし英語で発音される時には『ターッド』に近い発音になります。こちらが『トッドが!』と伝えたくても英語ネイティブは何を言われているのかわかりませんし、逆に自分の英語名をToddにしようと決めた日本人が授業中ネイティブの先生に『Todd!』と呼びかけられても自分のことだと思って反応できませんよね?
日本人としては『トッド』でも『ターッド』でもどっちでもよくないか?と思いがちですが、英語ネイティブの耳には全く別物として捉えられてしまうのです。
英語と日本との音の違いを理解しよう
日本語はaiueoの母音5音を基本として、この5音が子音と結びついて発音されています。
英語には母音が26個もある上に、全てが母音と組み合わさって発音されるわけではなく、『play』のpの様に子音のみで発音するものが単語の中に多く見受けらます。
さらに、『sisters』のように『子音のみの音』と『日本語にはない母音の音』との組み合わせを連続で発音していかなければない単語も多く、日本人が大いに苦しむポイントになっています。
また、日本人が発音の区別をつけにくいものとして、『LとR』、『BとV』、『SとTH』などがあります。日本語ではカタカナ一文字の『ラリルレロ』、『ブ』、『シ』とどちらも同じ音で発音しますし、単語のどの部分に現れても音自体は変わりません。
しかしながら英語では、これらを発音する際の口の動きも違いますし、単語によって音を出したり出さなかったり、短くなったり長くなったりと変化してきます。
このように母音と結びつけないで発音する子音があったり、母音の数もはるかに多かったりする英語は、日本のカタカナ一文字だけでは表現できない音が数多く存在しているのです。
発音の練習をするとリスニング力も上がる
なぜ自分自身の発音が良くなるとリスニング力があがるのか、それは単純に自分で発音できるようになったものは聞こえてくるようになるからです。
単語帳の丸暗記もスペルや意味を覚える大事な作業です。しかし、発音をきちんと理解できていないとそれが音声になった時、カタカナ読みで記憶してしまっているが故に、知っているはずの単語が発されていることに気づくことができないからなのです。
また、きちんと発音を理解して聞けるようになると、スペルを頭で思い浮かべることができるようになるため、ボキャブラリー増強にもつながっていきます。
英語の発音を上達させる具体的な練習方法
口の動きを細かく解説している教材や動画をよく見て、英語の発音に必要な口の動きを繰り返し練習し、少しずつ口の動きを英語の動きに慣れさせていくところから始めます。
ネイティブに見間違うほどの帰国子女でも、英語を話さない期間が長いと口がもたついて滑らかに話すことができなかったり、発音が鈍くなったりするくらいですので、これは非常に大切な練習です。
また、この時に鏡の前でやるべき口がきちんと出来ているかを確認しながら行いましょう。そんな変な口の形にしなくてもきちんと発音できていると本人は思っていても、日本語の口のまま発音しているのでは英語もカタカナ読みのままです。
急がば回れでその音を出すための口の形をきちんと習得していきましょう。
フォニックスを覚え、目で音を理解できるようにする
日本語ではあいうえおが読めれば、それが単語になってもそのまま読み上げて間違えることはありません。では英語ではどうかというと、ABCはエービーシーという文字の呼び方であり、実際に単語として出てくるときにそうは読まないのが通常です。
読む時には『ア』、『ブッ』、『クッ』という音になります。この文字の名前と読み方の関係性を表したものをフォニックスと呼んでいます。『
SH』、『F』、『V』などが出てきたときはつい『シュー』、『フ』、『ブイ』と文字の読み方をそのまま日本語風に母音と一緒に発音してしまいがちですが、『SH』や『F』は喉が揺れないように、逆に『V』はしっかり口元がブルブルするように注意しながら、カタカナ読みではなくフォニックスで発音して練習していきましょう。
このフォニックスが定着してくると、初見の単語も読むことだけはできるようになりますし、その結果として聞いた言葉のスペルが思い浮かべやすくなってくるはずです。
発音練習時は口を大きく動かししっかり発声する
日本語を一生懸命話す英語ネイティブの方の特徴を思い浮かべてみてください。
『わたしは』と言うだけでも口をしっかり開いて全ての音をきちんと発音するだけでなく、『た』にアクセントをもってきて強く言うと思います。
私たちは逆に彼らの話す日本語を真似て英語を話してみればよいのです。どんなことでも最初は大げさなくらいで練習を始め、慣れてくるとすっと力を抜いてうまくできるようになっていくものです。
特に日本にはない発音の舌を大きく動かすものや、唇をかむものなど少しオーバーに練習をし、口をほぐしながら意識しなくてもできるようになるところまで繰り返していきましょう。
まず単語単位で練習しよう
道具を使って球を打つスポーツは、まず素振りから練習しますよね。素振りが単語の発音の練習と思ってください。
まずはCD付きの単語集などを利用して比較的発音しやすいものから始めていきましょう。その際、注意しなければいけないのは、『Stop』など一見発音するのが難しいとは感じない言葉です。
カタカナ読みで平坦に『ストップ』で練習しても意味がありません。『ト』にアクセントを置き、最後のpを軽く口をくっつけて音が出たか出ないかくらいで発音していきます。
これまでのカタカナ読みで発音できると錯覚しているものは、もう一度英語の発音になっているか確認していきましょう。
次は、RやTH、V、Fなど口や舌の使い方に練習が必要なもの(red, thought, very, funなど)に移っていきます。
それも出来るようになったら今度は一つの単語の中にRとLが両方含まれているもの(really)であったり、THでも語尾につくことで音としては発さず歯と舌の間から息を出していくもの(month, mouthなど)であったりと少しずつ難易度の高いものにも挑戦していくようにしましょう。
英語らしく聞こえるために音の連結を覚えよう
素振りの次は、連携プレーであるリエゾンに入っていきましょう。リエゾンは自分が話す時には必ずしも必要なものではありませんが、リスニングをするときには勘所が掴めていないと聞き取れなくなってしまうものです。日本語でも同じようなことが言えます。
『わたし、きのう、コンビニでさー』を一音ずつはっきりと発音することは日常会話の中では少ないのではないでしょうか?『ったしきのーこんびにでさー』のように繋げて発音しますよね。
英語でも同じように、『I need to know where you went』は『アイ ニートゥーノー ウェーユーウェン』といくつかのかたまりで発音されていきます。これがリエゾンです。
色々なつながり方のパターンがありますので、それを一つずつ頭に叩き込んでいこうとするよりかは、CD付きの本などで『聞いて見て確認して』を繰り返していくことで、『これはリエゾンだ!』意識せずとも聞き取ることができるようになっていきます。
音読を繰り返して英語のリズムや抑揚を身に着けよう
英語のCDは聞くだけではもったいないので、一緒にどんどん発音していきましょう。1文ずつ読み上げていくものであれば、読み終わるのを待たずに聞こえた音から言葉に出して全く同じ調子でいく練習をしてみるのもいいかもしれません。
思っている以上に抑揚で上がったり下がったりと忙しいことに気づくと思います。日本語でも棒読みされると内容が非常に聞き取りにくいですよね。発音も大事ですが、文の大意を伝えるという意味では抑揚やリズムがきちんとできていることの方が大事だったりするものです。
スマホの音声認識で上達を確認しよう
学んできた単語や文がきちんと相手に伝わる発音や抑揚になっているかを、携帯の言語設定を英語に変えてSiriや音声入力で正確に入力されるか是非試してみてください。
うまくいかなくても誰にも馬鹿にされませんし、何度でも使えるツールを身近にもっているのなら活用しない手はありませんね。ここでもやはり姿勢を正して口を開けてしっかりと声を出すことが成功の秘訣です。
英語の発音上達のコツは適切な練習と繰り返しが大事
英語の発音を練習する際には、1日に長時間、かつ大量に取り組むのではなく、1日ほんの数分でいいので毎日続けていくことが非常に重要です。鏡を見て、口を大きく開けてしっかり声を出し、カタカナ読みをしない。意識しなくても自然と英語の発音が出来るようになるまで続けていきましょう。どうしても躓いたときは一度とばして他のものを練習し、どんどん英語を話す口へのトレーニングを続けていくことで、再度チャレンジした時には案外すんなりと発音できたりすることもあるものです。