TOEIC 600点はどのくらいの難易度レベル?評価・対策まとめ

日本で英語の試験といえば、英検とTOEICなのではないでしょうか。最近では大学入試にも取り入れる可能性があるなどと、話題になりました。 様々な企業や大学でTOEICの点数を重視しており、日本の大学生や社会人がよく受験する英語試験といえます。

そのなかでも、TOEIC 600点というスコアは、どの程度の難易度で、どれくらいの英語レベルといえるのでしょうか。 他試験との比較、世間からの評価など、様々な角度から、TOEIC 600点の難易度レベルについて考察してみましょう。

TOEICってどんな試験?

TOEICにはいくつか種類があるのですが、一般的にTOEICというと、TOEIC Listening & Reading Testのことを指します。 Test of English for International Communicationの略で、英語によるコミュニケーション能力、主に日常生活やビジネスシーンでの能力を測るテストです。 英語で聞く、読む能力が試されます。

TOEICの問題構成

リスニング約45分間100問、リーディング75分間100問、合計約2時間200問のテストです。 リスニングセクションはPart1からPart4、リーディングセクションはPart5からPart7で構成されています。 解答はマークシート方式、点数は10点~990点の5点刻みで表されます。公平性を保つため、相対評価が採用されています。

TOEICリスニングセクション

・Part1…写真描写問題 6問 1枚の写真について4つの短い説明文が1度だけ放送される。写真を最も的確に描写しているものを選ぶ。

・Part2…応答問題 25問 1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送される。設問に対して最もふさわしい答えを選ぶ。

・Part3 …会話問題 39問 2人または3人の人物による会話が1度だけ放送される。会話を聞いて問題用紙に印刷された設問と解答を読み、最も適当なものを選ぶ。会話の中で聞いたことと、図や表の情報を関連づけて解答する設問もある。

・Part4…説明文問題 30問 アナウンスやナレーションなどが1度だけ放送される。各トークを聞いて問題用紙に印刷された設問と解答を読み、最も適当なものを選ぶ。トークの中で聞いたことと、図や表の情報を関連づけて解答する設問もある。

TOEICリーディングセクション

・Part5…短文穴埋め問題 30問 不完全な文章を完成させるために、4つの中から最も適当なものを選ぶ。

・Part6…長文穴埋め問題 16問 不完全な文章を完成させるために、4つの中から最も適当なものを選ぶ。

・Part7…1つの文書:29問・複数の文書:25問 新聞記事や広告、メールやテキストメッセージなど、様々な文書が印刷されている。設問を読み、4つの中から最も適当なものを選ぶ。文書内に文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ設問もある。

TOEIC 600点の難易度レベルは?

TOEIC 600点の難易度レベルは?

TOEICは最低10点、最高990点の相対評価のテストです。それではTOEIC 600点は、どれくらいの難易度なのか、みていきましょう。

TOEICの平均点

TOEICが公式サイトで公開しているデータによると、2021年1月から6月までの平均点は、615点です。 月ごとですと平均点にばらつきがありますが、だいたい605点~620点の間くらい。TOEIC 600点は、平均点くらいといえるでしょう。

TOEICのスコア分布

以下、2021年6月のスコア分布をご紹介します。
だいたい545~645点あたりのスコアが多いことがわかります。

■第270回(2021年6月20日 午前)

スコア  人数  上位%
895~ 1,556 96.2
845~ 1,907 91.5
795~ 2,682 85.0
745~ 3,284 76.9
695~ 3,859 67.5
645~ 4,374 56.7
595~ 4,359 46.1
545~ 4,227 35.7
495~ 3,916 26.1
445~ 3,316 18.0
395~ 2,726 11.3
345~ 2,151 6.1
295~ 1,402 2.6
245~ 726 0.9
195~ 278 0.2
145~ 61 0.0
95~ 3 0.0
45~ 3 0.0
10~ 4 –

■第271回(2021年6月20日 午後)

スコア  人数  上位%
895~ 1,572 96.0
845~ 1,828 91.3
795~ 2,493 84.9
745~ 2,900 77.4
695~ 3,421 68.6
645~ 3,866 58.7
595~ 4,035 48.3
545~ 4,031 38.0
495~ 3,831 28.1
445~ 3,393 19.4
395~ 2,921 11.9
345~ 2,217 6.2
295~ 1,354 2.8
245~ 775 0.8
195~ 237 0.2
145~ 50 0.0
95~ 8 0.0
45~ 2 0.0
10~ 2 –

TOEIC 600点取得者の割合

上記スコア分布をみると、TOEIC 600点以上の取得者の割合は平均約50%です。 TOEIC 600点はやはり、平均点と言えるようです。

TOEIC 600点の難易度を他試験と比べると

TOEIC 600点は、英検でいうと2級相当の難易度、高校卒業レベルです。 TOEFL iBTでいうと、約45点相当の難易度です。2019年の日本人平均点は72点ですので、平均よりだいぶ下であることがわかります(TOEFL自体が、TOEICより難易度の高い試験と言われています)。

IELTSと比べると、だいたい4.0相当の難易度です。IELTSの日本人平均スコアは約5.8ですので、平均よりも下の難易度となります。 CEFRでいうと、B1に相当します。

レベル的には「身近な話題の要点を理解し、興味関心のある話題であれば、短いながらも自分の意見や理由などを述べることができる。」といった、初心者レベルの内容が示唆されています。 TOEIC試験内でいうと平均レベルですが、他試験と比較すると、平均以下のレベルであることがわかります。

TOEIC 600点レベルの特徴

TOEIC 600点レベルの特徴は、公式サイトで以下のように明言されています。

「通常会話であれば、要点を理解し、応答にも支障はない」 「基本的な文法や構文は身についている」 「複雑な場面における的確な対応や意思疎通は難しく、表現力は不足している」

他試験との比較も考慮すると、TOEIC600点レベルの人の特徴としては

・中高レベルの基礎が理解できる
・身近な話題ならついていける
・短い文で話せる 初級から中級へ向けてステップアップ中のレベルであると考えられます。

TOEIC 600点レベルの評価は?

TOEIC 600点レベルの評価は?

TOEIC 600点は、中高の基礎ができているレベル。 それではこのレベルは、世間ではどのような評価なのでしょうか。大学生や社会人、就職の場など、様々なシチュエーション別にみていきましょう。

大学生のTOEIC 600点レベルの評価

TOEIC 600点は中高の基礎が身についている証明になりますから、英語専門の学部でない限り、大学生で所持していると高い評価を得られます。 一般的に、センター試験では7、8割とれるレベルと言われています。

新卒就活市場でのTOEIC 600点レベルの評価

英語を使う仕事でない限り、エントリーシートに書けるTOEICの点数は600点からと言われています。 つまり、TOEIC 600点は就活におけるアピールの最低ライン。 もちろん企業の規模や求められる能力によって差はありますが、大学生のうちに取得しておきたいレベルといえます。

社会人のTOEIC 600点レベルの評価

TOEIC 600点は中高の基礎が身についていることの証明ですから、社会人としては評価は高くなく、最低限のレベルといったところです。 今後昇進などを考える際は、さらなるレベルアップが必要となるでしょう。

中途転職市場でのTOEIC 600点レベルの評価

社会人の転職において、TOEIC 600点は最低限のレベルのため、あまりアピールポイントにはならないと考えてよいでしょう。 特に大企業においては、7、800点以上を求められるケースもあります。

実生活やビジネスでの英語・英会話力

TOEIC 600点は、最低限の簡単な意思疎通を行うことができ、基本的な文法や構文が身についています。 実生活では、例えば旅行で空港やホテル、お店で使う定型表現を使え、何とかやっていくことができるレベルと考えられます。 また、ビジネスでは、複雑な会話や会議は難しいですが、メールでの簡単なやり取り、決まった文書の作成などならこなせるレベルでしょう。

TOEIC 600点をとるとできること

・基本的な英語力の証明になる ・就職に有利な最低限の英語力の証明になる ・海外でなんとかやっていける ・簡単なやり取りならビジネスで行える 英語の力で、世界が広がりつつあることが感じられるようになるでしょう。

TOEIC 600点をとるための対策・勉強法

TOEIC 600点をとるための対策・勉強法

TOEIC 600点をとることが、英語の実力をつけるための最初の関門であり、社会の最低レベルです。 これからTOEIC 600点をとるためにどのような対策をしたらよいか、お伝えしていきます。

TOEIC 600点は独学でもとれる?

TOEIC 600点は中高レベルの難易度の英語が理解できる、基礎ができているということですので、独学でも充分に身につきます。 中高のときの教科書や参考書、市販のやり直し参考書などを活用し、復習しましょう。

TOEIC 600点をとるのにかかる勉強時間は?

例えば現在のTOEICスコアが250点の場合、600点に到達するための学習時間は約800時間と言われています。 もちろん、もともとの基礎の英語力にもよりますが、英語力が低い人の場合、1日2時間なら1年ほどかかると考えていてよいでしょう。

TOEIC 600点をとるためのリスニング勉強法

TOEICは、ビジネスシーンに特化した試験のため、ビジネスで使われる単語が多く登場します。また、一定のシチュエーションや表現が使われるため、それらを耳で覚えるだけでも解きやすくなります。

まずは頻出の単語、表現を覚えましょう。 リスニングのなかで、初心者が狙うべきはPart1、Part2です。短い文章の問題なので、比較的点数が取りやすいパートです。ただし、短いからこそシチュエーションが理解できにくく、聞き逃しできないという難点もあります。集中力を鍛え、頻出の表現を覚えることを心がけましょう。

TOEIC 600点をとるためのリーディング勉強法

リーディングは、時間配分の勝負と言われています。1問1問をじっくり解くのではなく、解けない問題は潔く諦めてどれかにマークし、次の問題にいき、時間内に最後まで進めることを目標とするのです。

なぜなら、時たま簡単な問題が含まれているため、とれる問題は確実にとった方が得点につながるからです。 単語や表現の暗記と合わせ、時間配分を考えながら進めるTOEIC特有の対策を進めましょう。

TOEIC 600点をとるためのおすすめ参考書・アプリ

まず購入すべきは、最新の公式問題集です。本番の問題形式が覚えられますし、TOEIC特有の時間配分の対策や、レベルチェックにも必要となります。 さらに自分のレベルに合った単語集や、問題集も必要です、詳しくは、以下のサイトをご参考にしてみてください。 https://ielbu.com/toeic600/

TOEIC 600点の難易度レベルまとめ

TOEIC 600点の難易度は、中高の基礎が理解できており、これから表現力をつけていこうとするレベルであると言えます。 英語にまったく触れない仕事では最低限のレベルですが、今後世界に向けて羽ばたこうとするならば、これからさらに力をつけていくべきレベルです。 まずはTOEIC 600点を目指し、着実に基礎を身につけるところから始めましょう。

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