IELTSと英検を比較!スコア換算や違い、どっちが難しいかなど解説!

世界で広く受験されている英語力判定テスト、IELTS(International English Language Testing System)。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能をカバーするIELTSは、留学や海外移住希望者を中心に日本でも年々受験者が増えています。

同じ4技能を評価する英語能力試験として有名なのが、英検ですよね。学生時代に受けたことがある方も多いのではないでしょうか。

でも「IELTSと英検ってどう違うの?」「IELTSと英検ってどっちが難しいの?」という疑問が浮かんできませんか?

今回はIELTSと英検の試験内容や難易度を比較して、どちらの試験をどういった目的で受けるべきなのか詳しく説明していきます。目的に合った試験を受けて、必要な英語力を効率よく身につけましょう。

IELTSと英検1級どっちが難しい?難易度に関して

異なる目的を持って作られたIELTSと英検の難易度を直接比較するのは困難です。ただ、IELTSの方が英検よりさらに高度な英語能力まで評価できるように設計されています。

言語能力を測る国際指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を使って比較してみましょう。CEFRではA1からC2まで、英語力を6つのランクに分けて評価します。

IELTSと英検難しいのはこっち

IELTSの最高得点9.0がCEFRの最高値であるC2に対応しているのに対し、英検は1級がC1に相当し、それ以上測ることはできません。つまり、英検1級合格よりもIELTSで9.0を獲得する方が難しいということになります。

日本人のIELTS平均点が5.5程度で、大学や大学院留学を目指す場合は大体6.5〜7.0が必要になります。満点の9.0がどれほど高得点なのか、想像に難くありません。最高得点のレベルが英検よりも高いという点では、IELTSの方が難しいと言えます。

ただ、IELTSが大学留学や海外移住希望者を対象にしているのに対し、英検は小学生から社会人まで幅広い年代の受験を想定して作られています。従って、英検3級がCEFRの最低ランクA1相当となっており、4、5級はランク外です。英語を学ぶ人が広く受けられるのが英検で、より高度な英語力まで測るのに適しているのがIELTSです。

また、英検1級合格には高い語彙力が必要だと言われています。IELTS高得点獲得と英検1級合格では、必要な対策が違ってきます。

どっちを受験すべき?

IELTS 英検どっちを受験すべき?

留学や海外移住を希望する方はIELTSを受験する必要があります。国内での進学を希望する学生や、英語力を証明したい方には英検がオススメです。

IELTSのスコア提出が必要な大学や大学院に留学する、あるいはオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスへの移住や研修を考えている方はIELTSの受験が必須です。

留学ならアカデミック・モジュール、移住や研修ならジェネラル・モジュールと、目的に応じてどちらかを選ぶことになります。世界的にIELTSの知名度は高く、海外での就職時に使える場合もあります。

一方英検は日本国内で知名度が高い試験なので、国内の中学、高校、大学などに進学する場合は、英検で一定以上の級を保有していると有利になることがあります。 

実際に、英検の保有級によって入試の学科試験免除や内申点加算がされる学校もあります。また、IELTSは英検に比べて受験料が2倍以上と高額です。英語力を証明する目的のみに使用する場合も、英検の方が費用の面で優れています。

さらに英検は日本国外での知名度は低く、海外で使える場面は限られます。留学や海外移住などでIELTSスコアを要求されている場合以外は、高額な受験料を払ってIELTSを受けるメリットはあまりないかもしれません。

IELTSと英検各級のスコア換算目安

IELTSと英検各級のスコア換算目安

IELTSと英検各級が実際にどのように対応しているのか見てみると、自分の英語力がどの程度のレベルなのか大まかに知ることができます。必要な勉強量の目安として便利ですので、ぜひチェックしてみてください。

IELTSと英検の換算表はこちら

こちらでIELTSと英検のスコア換算表を確認できます。 https://ielbu.com/ielts-difficulty/

IELTSと英検の違いは?受験料・試験時間もろもろ比較してみた

英語の4技能を評価するという意味では同じ役割を持つIELTSと英検ですが、様々な違いがあります。まず、IELTSの試験結果は1.0〜9.0までの0.5きざみでスコアがつきます。合格・不合格の判定はありません。

対して英検は1〜5級に分かれており、合否判定をします。受験者は、自分の英語レベルに応じて受験級を決めます。他にも試験内容や受験料などに異なる点が多くあるので、詳しく見ていきましょう。

試験内容・試験時間・テスト形式の違い

IELTSの試験内容は、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングです。試験時間は、リスニング30分、リーディング60分、ライティング60分、スピーキング11〜14分の合計約2時間45分となっています。

リーディングとライティングは、アカデミック・モジュールとジェネラル・モジュールで出題内容が異なります。アカデミック・モジュールは大学や大学院での授業を想定した内容に重きを置いており、ジェネラル・モジュールは英語圏での日常生活で必要な一般的なトピックを多く含みます。

英検もIELTSと同じくリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングから構成されていますが、二次試験としてスピーキングが必要なのは1〜3級のみです。4、5級もスピーキングテストを受けることはできますが、独立したテストなので合否判定には影響しません。

英検一次試験の試験時間は、級によって異なりますが50分〜2時間30分です。1〜3級のみの受験者が受ける二次試験は、実際の試験時間は明らかにされていませんが、受付を通ってから60分程度で終了します。

受験料の違い

IELTSの受験料は、25,380円(税込)(2021年2月時点)です。 英検の受験料は級によって異なりますが、4,500円〜12,600円(税込)と、IELTSの2分の1以下の金額です。

開催頻度・受験者数の比較

IELTSは140カ国以上で、月に最大4回実施されています。日本では、開催頻度は試験会場によって異なりますが、東京と大阪会場では月2、3回程度です。 世界で年間300万人以上が受験しており、日本でも受験者数は年々増加しています。

一方英検は日本国内で、年3回実施されています。 2019年度の英検志願者数は390万人以上です。(実用英語技能検定、英検IBA、英検Jr.の志願者数の合計)

IELTSと英検を比較結論!違いを理解した対策や勉強法を取り入れよう

留学や海外移住を希望する方にはIELTSが、国内進学や英語力証明のためには英検がオススメです。受験料もIELTSの方が高いので、IELTSスコアが必要でない限り受験する必要性はあまりありません。

ただ、英検1級合格よりも難しいIELTSの最高得点を目指して勉強することで、英語力をさらに高めることもできます。 IELTSと英検ではそれぞれ出題傾向や試験内容が異なります。自分に合った試験を選んで、効果的な対策や勉強法を取り入れてくださいね。

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