IELTSの再採点でスコアが上がる確率は?下がったりしない?再採点情報総まとめ
IELTSの試験結果を再採点してもらえることを知っていますか? 努力して臨んだ試験の結果を前にして、納得がいかないこともあるでしょう。
そんな生徒さんのためにIELTSにはEnquiry of Result(通称EOR)と呼ばれる再採点制度があります。
留学したい大学の入学条件のスコアにあと0.5点足りなかったときなど、もし再採点で必要なスコアに達することがあるとしたら、再採点の機会を利用してみたいですよね。 今回はそんなIELTSの再採点に関して詳しく解説しました。
目次(クリックで飛べます)
IELTSの再採点でスコアが上がる確率は?
IELTSの再採点でスコアが上がることは、そう珍しいことではありません。 再採点は、バイアスがかからないよう最初の採点をした試験官とは別の方が再度採点をします。経験の多い試験官によって行われることが一般的なようです。
私の生徒さんや他のIELTSを教えている方の情報をまとめると3~4割の方は何かしらスコアが上がっているようです。
もちろん公式なデータはありませんが、手ごたえのわりにスコアが低かったときはチャレンジする価値のある制度だと思います。
再採点でスコアが上がるのはよくある
もちろんすべての人がスコア上昇を望めるわけではありませんが、スコアに納得のいかなかった人にとっては再採点の制度は非常にありがたいものでしょう。
再採点は、例えば身体の不調で病院へ行って医師から診断された結果に疑問が残る場合に、他の病院へ行き、別の医師にセカンドオピニオンを求めることと似ているかもしれません。
再採点の費用はかかりますが、スコアに変更があった場合には、つまり「誤診」だった場合費用は返金されます。 (注:再採点の費用は受験をしたIELTS運営センターにより異なります。この後解説します)
再採点の結果、スコアに変更なしの場合は返金されませんが、採点上の間違いはなかったということを、自分に納得させてくれた代金として考えましょう。
IELTSの再採点でスコアが下がることは・・・
再採点を申し込んだ場合、元のスコアより低く評価されて戻ってくることはありません。 スコアが上がらない場合は元のスコア評価のままとなります。スコアを下げられることはないので、その点は安心できます。
しかし上記でも述べた通り、スコアが変わらない場合には申し込み時に支払った費用は戻ってこないので、再採点をしてもらうかどうかは、そのことを考慮したうえで決めた方が良いでしょう。
どんな時に再採点申請をすべきか
IELTS試験を定期的に、数回にわたって受けている人もいると思いますが、以前のスコアより下がってしまった経験のある人はいませんか?
もちろんその時の問題との相性もありますが、コンスタントに英語に触れている人、学習している人でしたら、基本的には英語力が下がることは考えにくく、テスト慣れもしてくはずです。
このように英語力は伸びているはずなのに、スコアが前回よりも下がったという場合には、再採点を申し込む価値はあります。 特に、以前のスコアより1.0程度低下していたら、再採点申請を考えてみる価値はあるとおもいます。
他にも、留学の基準に0.5点足りない場合や、自己評価と比べてスコアが低く、ひどく不満が残る場合など、納得のいく理由があるときには再採点は申し込む価値があると言えます。
IELTS再採点の申し込み方法と返却までの時間と費用など詳細
ここからは具体的な申し込み関連のお話をしていきます。注意してほしいのは自分がIELTSを申し込みをしたテストセンターにしか再採点申請はできないということです。
ご存じかもしれませんが、日本ではIELTSはBritish Council,英検、JSAF(IDP)などが実施しています。そのためそれぞれの団体のセンターにしか申し込みをできません。ですので再採点申し込む前に確認をしておきましょう。
ここでは主なテスト実施団体の情報をまとめておきます。各団体の公式サイトへのリンクも載せておきますのであわせて確認ください。それ以外のテストセンターで受講した場合はそちらにお問い合わせください。
再採点申し込み方法、費用、返却日など:英検の場合
英検経由でIELTSを受験し再採点する場合は自分が受験したセンター(例:IELTS公式東京テストセンター、IELTS公式大阪テストセンター)に、まずメールで問い合わせます。
IELTS公式東京テストセンター: jp500ielts@eiken.or.jp
IELTS公式大阪テストセンター: jp512ielts@eiken.or.jp
その後返信メールにて再採点費用の振込先、申請用紙のダウンロード先が分かりますので、指示通り手続きをします。申請受付後のキャンセルはできません。
公式サイトは下記ですので詳細あわせてご確認ください。
https://www.eiken.or.jp/ielts/result/
再採点申請料
9000円
*再採点の結果スコアが変わった場合、申請料は返金されます(日本口座のみ)。
申し込み期限
筆記テスト日より39日以内
再採点に必要な期間
3週間程度
*それ以上かかる場合もあるようです。
注意点
注意点として筆記テスト日より39日以内に書類を送り、かつ申請料の支払いをすます必要があります。締め切り日が祝日の場合その前日までに手続きが済んでいないといけません。
また再採点(EOR)申請中は、元の成績が一時的に無効となり、追加成績証明書の発行につきましても受付てもらえません。
再採点申し込み方法、費用、返却日など:British Councilの場合
British CouncilでIELTSを受けた場合の再採点の申し込みは、まず下記のメールアドレスに問い合わせを行います。その後手数料の振り込み先や申請書類の説明がありますので、指示に従いましょう。
公式サイトにも詳細がありますので確認して下さい。
https://www.britishcouncil.jp/exam/ielts/test-dates-fees-locations/paper-computer
再採点申請料
15000円
*アカデミックでもジェネラルでも金額は変わりません。
*再採点の結果スコアが変わった場合、申請料は返金されます。
申し込み期限
試験日から6週間以内
再採点に必要な期間
3週間程度
*28日を超えた場合はテストセンターに問い合わせましょう。
注意点
British Council経由で申し込んでも実際にテストを受けたのが英検のテストセンターであれば英検のルールに準じることになるので気をつけてください。
再採点申し込み方法、費用、返却日など:JSAF(IDP)の場合
下記公式サイトよりダウンロードできる再採点申請フォームに必要事項を記載の上、成績証明書の原本と申請費用の銀行振込控えを同封しIELTS公式テストセンターまで郵送します。
再採点申請料
11000円
*再採点の結果スコアが変わった場合、申請料は返金されます(日本口座のみ)。
*振込先: みずほ銀行 高田馬場支店 普通口座 4022994 日本スタディ・アブロード・ファンデーション
申し込み期限
受験日より6週間以内
再採点に必要な期間
2~4週間程度
注意点
注意点として成績表原本を送る必要があります。”idp IELTS”というスタンプがありテストセンターがJP112かJP114であることを確認してから郵送してください。
また再採点(EOR)申請中は、元の成績が一時的に無効となり大学などへの申請はできなくなります。
IELTSの再採点の結果の受け取り方
再採点の結果、スコアが変更される場合には新たに成績証明書が各団体より送られてきます。変更がなかった場合には、送付した成績証明書の原本が返却されてきます。(英検は原本送付不要)
IELTS再採点申し込み方法のまとめ
上記の3団体の情報をまとめると下記のとおりです。
英検 | British Council | JSAF(IDP) | |
---|---|---|---|
再採点費用 | 9000円 | 15000円 | 11000円 |
申し込み期限 | 39日 | 6週間 | 6週間 |
再採点期間 | 3週間 | 2~4週間 | 2~4週間 |
IELTS再採点にまつわるその他疑問に関して
IELTSの再採点については他にもよく聞く質問がありますので、以下で解答したいと思います。
スコアが上がりやすいのはどの科目?
再採点を頼んで、基本的にスコア上昇を望めるのはスピーキングとライティングです。 リスニングとリーディングの問題には明確な答えがあるため、単純な採点ミスでもない限り、採点者による違いは考えられないからです。
しかし、採点する人の主観によって偏りが出ることの多いライティングとスピーキングの結果には、希望が残っています。 ライティングにはどうしても個性が現れます。
エッセイの定型パターンを使って多くの受験生が書いていても、個人のスタイルや英語表現の使い方にはかなり違いが出ます。 採点者も人間である限り、捉え方や感覚の違いによる評価の差異も、ある程度はやむを得ないことでしょう。
再採点で何点あがる?
私が生徒さんから聞いた範囲やネットで調べた情報ですと0.5~1.0程度上がることが多いようです。
0.5はわかりますが、1.0ずれるって結構すごいですよね。我々はそのために数か月の時間を費やすのですから。ですので、再採点は十分申し込む価値があると思います!スコア変わったらお金返ってきますしね!
元のIELTSスコアが低いほど上がる可能性あり
スコアが既に8.0もあるような上級者の場合には、あまり伸びしろもありません。 でもスコアが6.0前後の方にとっては、再採点を試してみる価値はあります。
再採点を望む方の中には留学したい大学や大学院が定める基準(6.0~7.5位が多い)を目指している方も多いことでしょう。 再採点は、あと0.5欲しいというときに利用したい制度です。
複数の科目の再採点をお願いしていい?
IELTSの再採点は複数科目を申請しても特定の1,2科目を選んで申請しても大丈夫です。値段も変わりません。
ただ、リーディングとリスニングは正解があるためほぼスコアが変わる可能性はなく、また、科目数を増やすと再採点の結果が返ってくるのにより時間がかかるようです。
再採点に対して再度採点をお願いできる?
結論としてはできません。再採点の結果が最終的なものとなります。
別の試験官の目からしても点数が同じということは、残念ながらそれがその日のあなたのパフォーマンスであったと受け止めて、新たに受験を申し込みましょう。
IELTSの効果的な勉強法に関しては下記の記事を参考にしてください。
IELTS再採点を実際にしてみた:筆者や生徒さんの話
実際に私がIELTSの再採点を一度リクエストしてみたのですが、結果としてスコアは上がりませんでした。
4週間ほどで再採点結果は来ましたがスコアが変わらず、手数料だけとられるという結果になりましたが、やはりある程度スコアが高いとスコアが変わりにくいという噂通りになったなという思いと同時に、自分でも0.5くらい上がればという気持ちでしたのでしょうがないかなと思いました。
ただ、生徒さんで6.0から7.0に上がったという生徒さんもいて、この生徒さんは泣いて喜んでいました。
ちなみに今のところ私の周りでリスニングとリーディングのスコアが変わった人はいません。
IELTSの再採点でスコアが上がる確率全然ある!不満なときは申請しよう!
IELTSの再採点を申し込んでスコアが上がる確率は大体3割前後だと言われています。
ライティングとスピーキングのスコアが6.0前後の人は再採点により加点されることが比較的多く、申請した結果スコアが下がることはありません。 あと0.5スコアが上がってほしい人、試験の結果が不満足だった人はぜひ再採点を検討してみてください。