【IELTSリーディング・ライティング】理想の時間配分を徹底解説
IELTSでは、リーディングとライティングは自分でタイムマネジメントして問題に取り組む必要があります。 最初から順番に問題をこなしても、自分の目標点数を満たすことはおろか、本来取れるはずだった点数すら取れなくなってしまいます。
時間切れで全部解けなかった、という経験をお持ちのかたもいるはずです。 IELTSで点数を稼ぐためには、優先的にやるべき問題の選択と、時間配分が勝利の鍵になるのです。 今回は、狙った点数を取るための理想的な時間配分について解説しますので、目標を達成するための参考にしてください。
目次(クリックで飛べます)
IELTSリーディング試験の概要
リーディングテストの問題は、新聞や雑誌、本など実際に出版されている書物から出題されます。つまり、実生活の中での読解力を試される試験です。 専門知識がなくても理解できる内容ですが、文章に書かれていることだけでなく、そこから推論されることまで回答が必要になります。
大学の授業ではお互いの意見を述べ合い、議論することが求められますが、自分の考えの元となる情報ソースを読み解き、自分の知識として活用する能力があるかを確認されるのです。
リーディング試験の時間配分と問題数
リーディングの所要時間は60分です。アカデミック・モジュールもジェネラル・トレーニング・モジュールも出題数は全40問、1問1点といわれています。
アカデミック・モジュールは合計3つの長文が出題され、書籍や専門誌、新聞などから抜粋された学術的なトピックに関して一般読者向けに書かれた文章です。専門用語が使用されている場合は簡単な注釈の記載があります。
ジェネラル・トレーニング・モジュールはセクション1、セクション2、セクション3に分かれています。セクション1は英語圏での日常生活に関連した短文、セクション2は仕事に関連した短文、セクション3は一般的なトピックで比較的長文を出題され、どのセクションも実際の広告や企業ハンドブック、本や新聞などからの抜粋です。
リーディング試験では3つのパセージで構成されますが、1つ目よりも2つ目、3つ目の方が難しい傾向があります。
そのため、単純に各パセージ20分ずつではなく、15分、20分、25分というように、時間配分を変えることが時間切れを防ぐコツになります。 または、1問につき1分30秒として、時間内に解ける問題だけを回答し、解けなかった問題は棄てて次へ行く、という方法もあります。
問題によってはボリューミーで時間を要するものもありますので、自分が解ける問題を優先的に解いていくよう心がけましょう。残念ながら、単語がわからずつまずいてしまう問題などは、1分悩んでも10分悩んでもわからない単語はわからない単語で問題を解き進めることは難しいです。限られた時間を有効的に活用するためにも潔く問題を諦めることも場合によっては必要です。
リーディング試験の問題形式
リーディングの問題形式は本文を読んでその内容にもとづき回答します。以下のような設問があります。
・選択肢問題 ・情報を識別する(どの段落に書かれているか) ・文章・段落に見出し・タイトルをつける ・情報・内容の一致(True/False, Yes/No, not given) ・章、要約などの完成(穴埋め)
この中で比較的難しいとされるのがTrue/FalseまたはYes/No問題です。不一致なのか、書かれていない(not given)のかの区別が付きにくく、悩む時間をロスしてしまうためです。
【リーディングの時間配分】時間切れを防ぐ5つの解き方
60分という限られた時間の中で自分の目指す点数を取るためには、狙った問題を時間内に確実に解くことが重要です。時間切れにならないためには、以下の5つのテクニックが有効です。
1. タイトルから内容を予測する
いきなり本文を読んでも、どんなことが書かれているかが想像できないと、一文ごとに意味を正しく理解して、何について書かれた文章なのかを考えてしまいます。これでは、読み終わるだけで想定時間を費やしてしまい、質問に時間をかけることができなくなります。 本文を読む前にまずタイトルをみて、どのような内容について書いた文章なのかを想像することが必要です。
2. 質問を読む
順番が逆のように思いますが、わざと先に質問を読みます。これによって、本文からどのような情報を読み取ればよいかがわかります。 また、本文のどのあたりに質問の答えがあるかが把握できるため、あとで読み返すときにも全部を読む必要がなく、時間の節約になります。
3. スキミングで長文の概要を知る
各段落のはじめだけを読んで、次の段落へスキップしていくことをスキミング(すくい取り)と言います。 日本の文章と異なり、欧米の文章はまず初めに意見や結論を述べます。つまり、段落のはじめを読めば、何を言いたいのかがわかります。 段落の1行目をスキミングして大雑把に読んでいくことで、文章全体がどのような論旨展開で、どのような主張をしているかが把握できるのです。
4. スキャニングで答えを見つける
スキャニングとは、キーワードやキーセンテンスを本文の中から見つけ出す作業のことです。 予め質問を読んだことで、どのような論旨のところをしっかり読めばいいかがわかります。関連単語をスキャニングで拾っていくことで、本文のどの部分が、どの質問の回答なのかを見つけ出すことができます。
5. わからない問題はとばす
スキャニングによって質問の答えが書かれた箇所を見つけられても、それが質問にたいしてYESなのか、Noなのか、その文章にふさわしいタイトルがどれなのかを選びきれない時があります。 本文と問題文が同じ文章や単語で書かれているわけではなく、別の表現をされていることが多いからです。単語や構文の知識が不足すると、正解を導けない場合があります。
そのような場合、その問題を考え続けても答えはでません。自分の知識にない質問は答えを想像することをやめて、思い切って切り捨てて回答できるところを先に済ませるべきです。
IELTSのリーディング対策に関しては下記の記事にも詳しく書きましたので合わせてごらんください。
IELTSライティング試験の概要
ライティングテストの問題は2つのパート(タスク)で構成されています。試験時間は60分間です。 タスク1は、示されたグラフ、表または図から情報を抽出して、要約を説明する問題です。データを比較したり、プロセスを簡潔に、かつ150字以上で説明することが求められます。 タスク2はエッセイです。出題された問題に対して自分の意見、なぜそう思うのか、事例などを250字以上で回答することが求められます。
ライティングタスクごとの時間配分
試験では目安として、タスク1が20分、タスク2が40分とされています。 しかし、タスク2の方が難易度が高いと言われているため、タスク1を15~18分、タスク2を42~45分に割り振ると高得点が狙えます。
アカデミック・モジュールのTask1はグラフや表、図を用いて物事の手順や説明を問われ、ジェネラル・トレーニング・モジュールのTask1では与えられたシチュエーションにに合わせて情報を求めたり立場の説明の手紙を描くことが求められます。
試験内容は異なりますが、それぞれTask2の方が内容が煩雑になりかつ自分の考えをまとめる必要があるため時間がかかるよう作られています。Task1は主観ではなく客観的な立場で説明を求められるのでどちらのモジュールを受験しても比較的スムーズに取り掛かることができます。
ライティングに苦手意識を持っている日本人受験者は多いと思いますが、公式問題集やその他参考書に例題はありますので特にTask1に関してはなるべく時間をかけずに済むようにたくさん問題をといて出題形式に慣れるようにすることがおすすめです。
ライティング試験の問題形式と点数配分
タスク1ではグラフや表、図をもとに、数字の比較やトレンド、フローの説明を求められます。 たとえば、人口増加の線グラフを見てどのような傾向があるかを説明したり、円グラフで分類と比率を説明するなどです。 タスク2では、短い文章の内容について以下のいずれかの問いへの回答と、その理由についてエッセイを書くことが求められます。
1. 内容に合意か、否定かと、その理由。 2. メリットとデメリットを述べる。 3. 問題に対する解決策を述べる。 4. 2つの意見を比較し、自分はどちらの意見を支持するかと、その理由。
どちらのタスクともに、以下の観点で採点されます。
1. 課題への回答 25% 2. 一貫性とまとまり 25% 3. 語彙力 25% 4. 文法知識と正確さ 25% 点数配分は、タスク2はタスク1の2倍と言われています。つまり、タスク1が1/3、タスク2が2/3の配点になっています。
【ライティングの時間配分】時間切れを防ぐ5つの書き方
2つのタスクを60分でこなす必要がありますが、試験に慣れた人でも時間が不足します。ここでは、どのようにして時間切れを防ぐか、準備と実践について解説します。
1. 得意なタスクから書く
点数配分を考えると、タスク2に時間をかけて高得点をねらうのが常套手段となっています。しかし、日ごろからグラフや図形をみてデータ分析している人にとっては、タスク1は安易な問題とも言えます。
なので、グラフや図形解析が得意な人はタスク1から、エッセイや論文を書き慣れている人、またはIELTSの受験経験が少ない人はタスク2から取り組むことをおすすめします。
2. 質問されていることの答えを明確にする
しっかりと質問を読み、何を答えとして求められているかを理解しないと、的外れな回答になります。その結果、質問への回答が不適切で減点されてしまいます。 また、質問文に使われている単語、構文がわからないと何を問われているかがわからず、意見をまとめることすらできません。そのため、日ごろから多くの文章や過去問を読んで単語や構文に触れ、見なれない単語がないようにしておく必要があります。
3. 時間を決めて構成を作る
あらかじめやることと、時間配分を決めておきます。 例えばタスク2に40分をかけるなら以下のような配分です。 1. 結論と文章構成をプランニングする 10~15分 2. ライティング 22~27分 3. 見直し 3分
4. 半分までの目安時間を決めて書く
練習では時間配分通りにテストを終えることができても、いざ本番になると緊張して適切な単語やいい表現が思い浮かばず、想定以上に時間を使ってしまうことがあります。 そのため、試験時間が足りなかったということにならないように、ライティングの半分までの時間をあらかじめ決めておきます。想定よりも進んでいるのか、遅れているかを途中で確認して、残り時間で時間調整をするのです。
5. とにかく書き終わってから修正する
途中であれこれ考えて書いたり消したりするよりも、まずは書き終えてしまいましょう。論旨がおかしいところや誤字脱字は、見直しの中で修正をします。 もちろん、修正に使える時間は多くないので、初めに論旨をプランニングし、誤字、脱字がないように慎重に記述することが重要です。
ライティングの対策に関しては下記の記事にも詳しく書きましたので合わせてごらんください。
試験時間内に終わらせるための勉強法
リーディングでも、ライティングでも、60分という時間の中で完了するのは試験慣れしているベテランでもぎりぎりです。書いている途中で試験時間終了になるのは避けたいものです。 そこで、少しでも時間に余裕をもたせるための勉強方法を解説します。
長文を読む速度をあげる
リーディングにおいてはスキミング、スキャニングいずれを行うときにも、速読できることが重要です。概要をつかむだけなのにじっくり読まないと意味が取れないということでは、制限時間内での完了は難しくなります。 まずは同じ例文を覚えるくらい何度も読んで速読に慣れること。そして、 新聞やブログ、メールなど多くの長文に慣れて、読むスピードをあげることが勝利の秘訣です。
ライティングでよく使うフレーズを覚える
IELTSは毎回問題が変わりますが、文章の冒頭はワンパターンでも問題ありません。むしろ得意な論旨展開につなげやすいので、テンプレートを決めておくことは時間内で終わらせるための必須条件です。 タスク2であれば基本的に以下の構文で記述するように練習しておきます。 1. イントロ、意見 2. 本文1(理由と根拠) 3. 本文2(理由と根拠) 4. まとめ、意見 さらに、それぞれの文頭につかうフレーズを決めておきます。たとえば、The reason is thatやIn fact、Moreoverなど、本文1の書き出し、本文2の書き出しパターンを決めておけばそれだけで時間短縮になりますし、リズムよく文章を構築することができます。
パレフレーズに強くなる
パレフレーズ(言い換え)を多く持っていることがリーディングとライティングで高得点をとるためのコツです。 たとえば、リーディング問題では、本文に使われている文章と、質問される文章で異なる表現をしていることがあります。そのため、質問文の単語や構文を探しても問題文にはないということがおきます。言い換えが行われている箇所を見つけなければならないのです。 また、ライティングの場合は、同じ単語を繰り返し使うと稚拙な印象を与え、語彙力がないと判断されてしまいます。わかりづらくならない程度に言い換えをすることで、単語力、表現力の幅を示すことができるのです。その結果、高い点数をもらえることになります。
時間配分を身体に叩き込む
試験前にはかならず時計で時間を確認しながら模擬試験をしてください。 20分、40分、60分の感覚を体に覚えこませます。タスク1、タスク2に使える時間がぎりぎりになっても、残り時間を推定し、慌てずに処理をすることができるようになります。時間になれるトレーニングが重要です。
まとめ:時間配分を徹底して時間切れをふせぐ
IELTSにおいて、リーディングとライティングは自分で時間をマネジメントしながら試験問題に取り組む必要があります。そのため、自分の必勝パターンと時間配分を決めて試験問題を解くのが、高得点をとるコツになります。 模擬試験でもつねに時間を確認して、本番の時に時間切れにならないように準備をしましょう。